絹物きぬもの着脱きぬ衣擦きぬずれ逢う鬼怒きぬ後朝きぬぎぬ着ぬる衣着きぬきぬ別れ
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もういくつ寝ると正月もういくつなんだろ僕は 命投げたい
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木枯らしは冬のおとずれ 足音は君のおとずれ君のおとずれ
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男壬にん男辰しんせる男良むすめのまろき丹田が纏う腹帯はるびはISSEY MIYAKE
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他者という地獄の中にわれら餓鬼ひとりひとりが吠たえつ捩れつ
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十九万六千八百八十三次元の月影に怪物あり
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熾炭おきずみのほろと欠けひとつほろと欠け氷雨の宿に暗がりを食む
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働いていた時の方がリズミカルだった気がする言葉と生活
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満州に渡りし人の遺跡巡り大連で買うアカシヤの蜜
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あの瞬間言い返せたらと後になりいつも後悔ふがいない僕
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掌の上でさ迷ふ僕たちを青く灯した地図アプリ、冬
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慎みの小さな星を飾りをり待降節の石蕗つわぶきゆかし
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この髪が 苦しむ人を 少しでも 笑顔にかえて あげれるように
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生徒たち 当たりハズレと 大声で 教科担当 まるで景品
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搬出が 全て終わった 空の部屋 一礼をして 扉を閉める
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「生きるとは どうやらこういうことらしい」 気づき続ける ずっと 死ぬまで
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‪「一度死に甦ったら魔物とは大袈裟ですね」と彼女は笑う‬
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一言で直ちにこころポンと跳ね花咲くなんの骨折りもなく
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真っ白な吹雪が広げるスクリーン君の笑顔がキラキラ映える
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冬の朝ひかりが部屋に溢るるともういずこへも行かれぬ子たち
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君の手が不意に私の手と触れてただそれだけで胸いっぱいに
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カラフルの行き着く先は何色か 答えは知ってるあなたと私
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元禄の師走いさ見む勇みむ赤穂の士 雪も話もふり降・古ぬれど
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そこにある生きる力を奪わない 伸びていくのを見る ただ見てる
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青色のレールをジグザグ繋ぎつつドラえもんいる未来へ進め
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苦しみを 受け入れ歩く 君の背に そっと手をおき 瞼をとじる
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消ゴムの カスの山だけ 頑張った 最後のベルが 校舎に響く
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あの人と 話すきっかけ さがしてる どっかにぽろり 落ちてないかな
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飴色に光るタワーを蕊として咲くこの街もうつろひの中
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背あわせに二本立ちたる銀杏樹の抱かんとする秋こぼれをり
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