灰帯ぶる藍のあはひにうす目あけ甘き月光吸ふ四足獣
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沈みつつ影も眠れる午前四時 文色あいろなきしかしてゐる
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銀灰の月の呼吸につつまれて会話のかたちにある白き椅子
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強くなるために離したものたちを僕の弱さが忘れさせない
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僕はいま JAFジャフ待ちながら詠んでます かしがっている車窓の景色
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おろかなり たもと須魔補スマホ 眺めては 指でつつきて 時ぞ去りゆく
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ユウ君を選んだあとに司会者が「モンティ・ホール」 迷わず変えよう、最後のナオ君
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突然の 雨に君の手 しっかりと 握って走る 真夏のデート
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肝試し 守るつもりが 守られて 明るいとこで 恥ずかしい俺
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マイナスは プラスに変える 必需品 よく噛みしめて よく味わって
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木漏れ陽の こもれびの 道行く人ら お互いに 掛ける挨拶あいさつ 山のたのしみ
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雲とぢてあらずとも思ふそなたより雨そふ夕はあらはれぞゆく
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見ぬそらのいろほのめかすひとふしを白雨の窓にうつりてぞ聞く
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客人まらうどの去りて静けきくりやにて赤葡萄酒の赤きに沈む
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戦争も飢餓もなく日日詠みてゐるしあはせはこの頁の歌歌
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はつかなるこゑにも揺るる蠟燭らふそくのちひさき明かりのちひさきほかげ
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問い掛けに隊伍の解は参集しマンデルブロの海岸を征く
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平成を終わらす雪に背を向けて「オッケーグーグル、わたしと死んで」
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ドロップ缶さいごのひとつかみ砕きわたしの骨はこんな冷たい
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ただ生きてつられつられの毎日を見えぬ未来に費やす悲観
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寂しさに骨があるならきっとぼく無理やり骨を折り続けてる
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裏切りの色を纏ひし彼の人がどうか救われましますやうに
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ねえ、ねえ、ねえ なあにと言ってほしいから わざと何度も名前呼ぶ
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煎餅がテレビもラジオもかき消して 明日はきっとマシュマロ食べよう
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暖かい できたてバーガー プラスして 君の笑顔に 胃が満たされる
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昼間より 夜が眩しい 繁華街 眠り忘れた カラスが踊る
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産まれたて 大きな声で 泣き叫ぶ 我が子元気で パパママ涙
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そうなのか 篠津運河と言うんだな ここから見える あの水路って
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TLに萌え絵と自爆テロ並び等しく消費される日常
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さみしさはわたしひとりのものでいい下腹部の傷はちゃんと閉じてる
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