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ふゆのふをふと口にする幾万の人の吐息でゆきがうまれる
2
荷造り中 つっぱり棒が落ちてきた 手間が省けた 強がりです ええ
3
困らせて あなたの愛を 確かめる こんなことする 自分が嫌い
3
似合ってる あなたが触れた 髪飾り 家に帰って 何度もさわる
1
眠ってる あなたの胸に 耳をあて 心音聴いて 私も眠る
1
永遠にこない電車をふたりで待とう はだしのふたり十五のふたり
1
アヴェ·マリア聖寵満ち満てるマリアあなたが落としたかみなりですか
0
波よせて 遠ざかりて くりかえし 思い出すのは 春の陽のゆめ
0
ごましおをふって食べたい ふるさとでかたまっている 法事の赤飯
1
騒音か そうでないかを 議論する 子供の声に 賛否両論
2
少しだけ 歩く速度を 変えたなら 見えてくるはず 別の光景
2
横顔に そっと呟く 大好きと 口に出せずに 心の中で
1
遠き山 光りふりつむ 青白の すんだ雪は 白き打掛
0
視地平の
南群
(
はいむ
)
る
星
(
ぶし
)
をめじるしに風食む鳥は雲居より去る
2
密室に
出
(
い
)
ずる暴力 その素顔 外側からは決して見えぬ
5
ユーチューブ飽きちゃったしな何かないか何もないよな寝て休もう
2
ああ今日もタイムラインは
殺伐
(
さつばつ
)
としている 僕も
彷徨
(
さまよ
)
っている
9
冬の朝 一片たりとも 雲は無く 最期はこういう 空に溶けたい
4
向日葵も 地獄の釜かと 茹だる日の 差し出がましい 浴衣と花火
0
本日は我が家より出ぬ段取りで連休いみじうも好もし
3
波止に寄す タグの軋みは お互いの労をねぎらう 小さなお喋り
0
溢れ出す 君への思い 文字にして じっくり寝かす 引き出しの奥
2
幸せを つくろうことが できたって 苦しいはずよ 胸の奥底
1
見栄はって 背伸びしすぎた 結末は 全てが消えて 失意の底に
0
四肢を
以
(
も
)
て野をひた走る夜明け前 黒いほどにも青くありたい
7
にゅるっうわっ苗植えもせず水田に踏ん
込
(
ご
)
み足踏み繰り返し夏
0
笑うとき目が細くなる好きな子と目が合いそうになって逸らした
5
僕たちの詠む歌は日々消費され
泡
(
あぶく
)
のように
弾
(
はじ
)
けて
雑
(
まざ
)
る
4
ベルベット思わせたのは冬の空ひとつ光ればつぎつぎに次
3
死んでいる 僕の心が死んでいる 君の心も死んでいるのか
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