物言わず 睨むあの子は 誰よりも 安全守る 誘導員ね
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立冬の 暖かい日に 冬支度 今年の雪に 思いはせれば
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昼休み 一心不乱 歯磨きす 同じ方向 無言で眺む
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薄氷を そおっとそっと 歩くよに 母との散歩 歩幅を合わせ
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タヌ猫のワクチン 今回から我が 母は杖ついて運べないから
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年末に向けて色々慌し 予定擦り合わせ電話にメールに
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ニュースつけ 胸が痛んで すぐ変える バラエティなど 見たくないけど / せんそうやめろ!
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抱きしめる度悲しみ薄れていく ぬいぐるみの心臓の音に
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念願が 叶ったのだろう 一雫 まぶたを閉じて ヴィーナスの涙 / 月と星
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トントンと私の部屋を訪れる夜風に揺れるパラソルハンガー
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爪切りは捨て時どうも分からずに親が使った物までも有り
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赤りんご?青りんごかな?と悩む色 旬はまだ遠き 立冬の朝
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抜けるほど 青極まる天 玲瓏の はや寒空に 秋くさめひとつ
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人生にタラもレバーもいらないとタイとカエルを胸中で飼う
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捨てられし 儚き恋の落とし物 涙滲んだハンカチ拾う  
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暖かい気分が乗らぬ雪囲いせねばならぬが切羽詰まらぬ
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チャイム鳴り 授業息抜き自由時間 給食思い頬杖つくのみ  
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木枯らしに 吹かれて早む雲のみを ほの見ゆ空に映るき影
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サクサクと音奏でるを土は待つ音楽隊はまだ来ないのか
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虫の音がまだ聞こえない。宵のなか月も伴奏なく悲しむか
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けざけざと 雲居くもゐに浮かぶ久方ひさかたを さしあふげれば冬はとなりぬ
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今日もまた豪邸に住む演歌歌手が庶民の心を歌っているよ
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この年は当たり年かや柿の実は頂きもので毎日楽しむ
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浜辺にて振り返り見れば風紋の鱗を乱せし吾の足跡
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ゆ風の 赤む楓葉かへではひるがへし あかねとまじり秋は暮れゆく
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立冬と聞けば心が寒くなる 軽いコートで空は秋晴れ
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どっかりと胡座あぐらをかいて防風ぼうふう掘る夕餉の食卓浜辺の香る
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望月にもち搗く兎は杵もちて もち 上げ下ろせば草餅のもち
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距離をとることを許さずいまここにおれを縫い止めるほそい結晶
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「足りない」と 努力の量を 指摘する "足りない"頭は 貴方についてる
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