笑うとき目が細くなる好きな子と目が合いそうになって逸らした
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僕たちの詠む歌は日々消費されあぶくのようにはじけてまざ
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ベルベット思わせたのは冬の空ひとつ光ればつぎつぎに次
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死んでいる 僕の心が死んでいる 君の心も死んでいるのか
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今日はもう何をやってもダメだから DVDでも見て寝ていよう
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ガラス越し 口づけすると 思いきや 鼻おしつける お茶目な彼氏
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君のこと 思っているが 駄目なんだ 親友もまた 思いよせてる
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点が線へ線が面へとなるように芽生え続けた君への想い
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体調を 崩し食する ことできず 期限のきれた キャベツ抱きしめ
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平成が終わってしまうと若い声移ろう話題の一つにすぎずに
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ふるさとの気配をスッと吸い込んだ 冬の匂いにマフラーを巻く
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吾輩は猫であるとは言わないが猫でないとも思えないので
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蔓延れるロマンティックラブイデオロギー恋愛至上主義よ滅びよ
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待ち侘びて 日がな一日歌を詠む 生まれしその日 きみ祝うため
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禁断の夜中のアイス 当社比で三割増の幸福感です
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目の前の「めんどくさい」から逃げること 事件前後で いつもうごめ
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鈍色に光る切っ先突き立てる ホールのケーキは一人にゃ多い
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路地裏に誰が置いたかワンカップ濡れたガラスがきらきら光る
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「ぼく実はニュージーランド出身です」寝物語ピロートークについてみる嘘
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何にでもなれないしなりたくないし愛してるとか聞きたくないし
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シューカツ中 面接本番五分前 独りきりだとしみじみ思う
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おやすみ。16歳の私たち一瞬の永遠をだきとめていた
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耳元で「死ね」と貴方に囁くは 私の触れ得ぬ心の病魔 負けずにいてねと ただ祈るのみ
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多数決があるなら他の決もほしい 少数決とか乱数決とか
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キィキィと鳴き声あげるヘンな鳥 吊革あたりに巣があるんだな
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少しでも あなたのそばに 行きたくて 無理してはいた 大人のヒール
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新しい 鉛筆おろし 消ゴムと 共に闘う 受験戦争
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雨音が 少し休めと 言っている 飛ばし過ぎたら 身がもたないな
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九相図の女にきみの顔をコラージュしててねむれませんでした
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消えない 頭の中を走る あの日の 心の動きはありのまま 私自身はいまだ
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