いつのまにめがね消えてる鞄から映画みるときはじめて気づく
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ンブシーを取り分けたしわしわの手に今日はカジマヤーを持たせる
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をちかたををろがむ人のをごめいて烏滸をこなる友ををこつりて去る
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手にこぼれ火傷しました教訓は器の深いものが要ること
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さつきハエほんと五月蠅い目の前で手もみしてるがどうしてくれよう
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38.5はちどごぶ⁉︎湧き立つはてなに半笑い血巡り響くBPM120
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結婚が幸せなのか未婚なら不幸なのかと親は悩めり
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突然に頭に浮かぶあの笑顔 今日は薫風くんぷうの吹く遊歩道で
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手を伸ばす 手を引っ込めて 手を伸ばす 催促止まぬ 兎のあたま
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手を伸ばす 手を引っ込めて 手を伸ばす 誘う手止まぬ 黒きイナズマ
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なくこえよ ゆらめくなみに さらわれて とおきとどかぬ はるたつこえを
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珈琲の風味をマスクで閉じ込めて「家に着くまでが喫茶店です」
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音楽は道化なんです苦しさをすべてリズムに溶かしてしまう
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音楽はあんなに威張っているのにね形を留めず刹那に消える
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苦い思い出さえも うたのネタ まぁ人生そもそもネタの宝庫よ
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テラスにてクリームソーダ飲み干せばフライングした夏を見つける
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きっちりとクレパス色に並んでる お気に入りのブルーのTシャツ選ぶ
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薫風を熱し蒸しゆくアスファルト 整うかなと ふとロウリュウす
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値上がりの嵐は常に吹いていて赤い値札は隠れ蓑かな
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ポケットに両手を浅く突っ込んで妻の後ろを歩くスーパー
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波風を立てる言葉を 自分から 吐いて後悔 あゝ自己嫌悪
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川沿いに赤く敷かれた彼岸花 祖母は何処から手を振ってるかな
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また着るは幾年先か黒ワンピ クローゼットで安らかに眠れ
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電動のアシスト自転車駆使しても心臓躍る坂の街かな
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始まりはズラリ並んだ日本勢櫛の歯抜けてスマホ寂しき
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『犯人はおまえ』と示す中指を切り裂きジャックは上手に避ける
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爽やかな風吹きわたる緑蔭に弔問の列とぎれざりけり
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たらちねの母の裳裾に隠れしが片目覗かせ笑ふをさなご
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なすの紺ししたうの青かぼちやの黄いろとりどりの夏揚げにけり
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朝のバス 快速に乗れど速くない けど大船おおぶねに乗るような心地
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