われは今日ごはん炊かなきゃいけないと思い続けてまだできないよ
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親友ではないけどあの子の存在はなければ困る下じきのよう
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水泳の授業の後の君何故か直視できない程に儚い
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サッカー部君の姿を目で探す校舎四階吹部の特権
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君のこと考え謎のポエム書くなぜか言葉がすらすら浮かぶ
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完璧に見えた彼女も人間と気付いた日から息がしやすい
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狂人を季節のせいにするたびに科学論文踏みにじられて
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金がなくやむなく詩など書いてるがあっても書いている可能性
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吸っていいよ僕は煙草は吸えないが君のホープの匂いが好きだ
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目覚めると鉄の卵が足下に生まれるでなく腐るでもなく
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「冷静になって怒りを描くこと」そんなお前の頭に鉈を
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交配で醜い花を駆逐して今更何がダイバーシティだ
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コーヒーは飲みたくないよもう二度と自分で朝を始めたくない
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足早に飯が腐って夏を知る入道雲を見る暇もなく
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薔薇の花握りつぶした残り香を落とす石鹸の香りも薔薇
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才もなく不幸もなくてなぜ創る希望がなくて言葉にすがる
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胸のなかいつまで続く花占いしぬしなないしぬしなないしぬ
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新進気鋭と言うには歳をとり「キエェ!」と奇声上げおじさんなり
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車窓過ぐ見知らぬ花をまた見んと明日の鞄に歳時記を入れ
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妹の部屋の換気扇雀の巣俺のやつにはスズメバチの巣
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台湾のスイーツブログ極めんと彼と別れた女性起業家
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あの日見た9秒98のレースの僅かな風は心臓を抜けた
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隅の歩道ド真ん中歩くあの女性見惚れて見た左薬指の指輪
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蝶を愛でごきぶり潰す同じ手で蜂蜜掬う人の営み
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殺しあうまでもなく皆死ぬのになあ、無駄だよなあと雨が言ってる
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やわらかに日毎にひらく切り花の薔薇のいのちを愛でる食卓
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「意図せずに いずれ誰かを 傷つける」 かなしい色の レゴブロックは
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賞賛の トロフィーでさえ 切っ先で 君を傷つけないとは言えない
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初恋の彼の一号ホームラン観てたスマホにこぼすチューハイ
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怜悧なる女史のグレーの三つ編みに思い残した初恋の影
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