痩せたよと 喜ぶ君の 目にはクマ ウィードのかほりの 袖に着く粉
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気だるさよ 月曜の朝 如何せん もう辞められぬ 怪物の血モンスターエナジー
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西陽差すベッドの上でうたたねす 眠っていればあたたかい秋
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日曜の 宵が怖いと 泣く弱男 体質が故 酔いも怖いと
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終電で 帰るが辛いと 言うなかれ 我は貫徹 叶わぬ充電
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「てっちゃん」と名付けた鉄のフライパン使うたびごと愛着湧いて
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ちいかわよ 諸行無常か この日々は 何とかなれと 救いを求めん
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非番かと 思うも虚し 鳴る電話 死の楼閣へ 足取り重く
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我思ふ 誰がための 投獄か 独身寮では 得るものは無し
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世紀末 無想転生 遊技場 今や昔か 遊郭の灯
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誰ぞ知る 我の心を 閉ざす柵 上司の下す 禁門の策
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明け方の 卓に散るのは 点棒の 物語るのは 徹夜の夢か
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あお空を 四角く切り取る 鉄格子 陽は暮れゆけど 為すところなく
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紙食べるオフィスの小さな怪獣よ この憂鬱もきざんでおくれ
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冬までに「パンダ」に改名するつもり パンダってほら、モコモコじゃない
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鷹が飛んでる写真を撮ったけど 全部バサバサの「サ」で最悪
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そういえばイタリア好きって言ってたな 骨と一緒にピザも焼いとく
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知らない子供に手をふり返したの 結婚式だけ呼んで欲しいな
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いつの間に雨は冷たくなってたねさしだした手のてのひらは下
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「おはよう」に「ぽきげんよう」と返す君 だから大学落ちたんだろう
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ジングルを一節聴けば甦る午前三時のハガキ職人
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鐘楼は街に根ざして毎日のくらしと時を共振させて
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種芽吹き 産まれ発芽す その時を 今か今かと指折りかぞえ
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殺意さえおもいでならん河下の鉄砲岩に拳を当てる
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あの頃は人生の春真っ盛り 秋の夕暮れベンチの思い出
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鳩いっぱい! 指差す君の声はずむ なんだ2羽しかいないじゃないか
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秋冬の 衣食が世間騒がすも おかまいなしに鳥の巣作り  
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好きなのに「いいね」の少ない短歌うたあれば秘密の宝を見つけた気分
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お前らはみんなばけものあの人の心を殺してなにも言わない
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逃げるため足を捨てます 鰭にして貴方のいない海にゆきます
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