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胃の中で大海知らず溶かされる 会話途中で飲んだどうぶつ
1
着ぐるみに気をつかうときの笑い方成長しても治らなかった
3
一列に並んだ雲は前だけを見てビルのうえ夏を進める
2
テレビで見る方がリアルねはねまわる人形みたいな球児見下ろす
1
この山を越えると人は関西弁はなす流れてゆく関ケ原
2
百年も生きたからこそ孤独なの さみしさをみな目に収めたの
1
ご先祖は今頃帰宅
渋滞
(
ラッシュ
)
かな天への上り線は混雑
3
土を食う姉と革命家の兄と古書に埋もれて死んだ弟
3
夜に出て黒くきらめく石畳 青い男の眼玉ひろった
2
落蝉を拾いて夏の盛り逝く生きるものだけ死ぬことができ
11
砂の立つサッカーコート日に焼けた少年の脛まぶしい柱
7
きっとすべて無意味なのかも八月の空はこんなに青がってるのに
5
夜の雨あなたを過去にしてしまう手を伸ばしても夜はつかめず
11
海へと向かう車で明日を想像してた鳥はまだ鳴かぬ
1
掠れゆく文字を集めて押し花のフリする夏の忘れたい夢
2
明日から電車に揺られる毎日を爆破しに来て日曜日の使者
2
赤と青闘う空の夕暮れをのぞむ私の胸は静かだ
11
人により人と呼ばれて人となる循環定義の蒸し暑い朝
1
水晶を初めて買いてプログラム 秩父山塊渓谷に埋め
2
西武池袋線入間駅から 地平に秩父ラヴェルのボレロ
1
不条理の只中なる暗き夜に 蟋蟀飛ぶを見て驚く
2
雷に蒼ざむ雲の相貌に 万物照らさる任務はたせりや
1
カレーには 肉と芋だろ 思ってた ローリエあれば 問答無用
1
「旅行にも行けない」の「も」の一文字に隔たりがあるわたしときみの
6
終わらない祈りの中に生きている 手の天秤を傾けたまま
2
死ぬことを 拒むことから 始まりて 病も癒えず 恨みつらみを
1
できぬこと できないことを 区別して 泰然とする 大人になれず
0
真実を 求め過ぎれば 最果ての 地にくたばる 結末となる
1
魂の 堕落と共に 精神の 荒廃進む 崩壊の危機
1
言うべきを 言ってるうちに 友もなく 理解もされぬ 異星人なり
1
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