失敗や 困難だらけ 味わえば 笑うことさえ 難しくなり
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プラトンのイデア論を疑いがち 君の足跡あんな真っ直ぐで
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この宇宙そらで 君が一番眩しくて おまけみたいに他も照らして
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町と町の間にあって孤独とは見かけの上の運動である
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チンポ切りとタガメを呼んでた友達が 今はみんなで火葬場衆
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オッサンがいくら死んでも変わらない 命ひとつなら赤子か女
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雨受けしのちに陽を受け踊る百合 いまを謳歌おうかと花開きけり
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全部好きだから好き君の綺麗な字わたしはノート使いきれない
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立ち入りを禁止する札 ただ蓮を見たかった公園のいりぐち
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ボートの学生 湖畔の朝に 二重の片虹 白き鳥舞ふ
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「リサイクル短歌やります 血税で」 隣の家に書いてあった
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洗い物してる君の脇腹をこしょぐるように人はできてる
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足に蛇 殺され銃撃 2度も死ぬ 起きたら平熱 全部忘れる
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雨の夜チェリーコークの水煙に肺を浸して生を確かむ
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痺れるくらい苦い漢方 儀式のように飲み下すオブラート
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「愛」をなにか良いもののように語るので生まれたり死んだりが絶えない
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だれにでもあるよと長く短い夜左手さすってあげてる右手
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メビウスの香りで起きた朝7時 濡れたシーツにあなたを探す
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おおらかに漏れる明かりのそのなかで異国の演歌きいているのか
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はじめから浮いてたことが嘘だったみたいに床にへたる風船
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いいにおいハンドソープで満ち足りるハッピーアワーの時間が過ぎる
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現世にて 出会えた君は 六歌仙 千年前から 来てくれたかしら
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住吉の 詠めないけれど 呟いた 君は来ないね 百人一首
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蝉の音が死ねと聴こえる人だけにどうか油断と安心の夜
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青い鳥 空に溶けてもう見えない 瑠璃より青いと思ってたのに
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空の青 鳥籠蹴って知っちゃった 私にコンパス預けたまんま
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目を閉じてみてもまぶたの裏側に焼き付いたまま消えないあなた
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原体験 ふと思い当たり かき乱す 幼い頃の 音楽だとか
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ひみつだよ仕事集中したいとき アニメの戦闘曲きくの
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小雨降る灰色の街を傘ささず歩けばちょっとした非日常
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