とびきりにかっこいい服着てふたり四月一日だから遊ぼう
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祝福を届けてやりたい人がある 風吹きすさぶ荒野に住んでる
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わが家には春を迎える資格なく室外機鳴るごうんごうんと
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たましひのくらがり峠今日も雨妥協といふことつゆしらぬまに
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令和など何処吹く風で淡々と同じ風吹く建設現場
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「令和(れいわ)」と、三度声に出すもなんとなく、しっくりこない 未来の響き
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「東京じゃ、紅モクレンを見ないね」と寂しげに言う同郷のきみ
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新元号? 「震災」「廃炉」が良いんじゃね? 安らげるかよ 忘れてねえぞ
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今晩はサティに溺れて眠りたいモルトドルチェなジムノペディ
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運命の糸を一人で紡ぐのです、いつか交わる未来を祈って。
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振り向かない君に捧げる人生は楽しいけれどきっと虚しい
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私には私にしかない人生があるよねきっとまだ見えないけど
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うたかたの、あぁ泡沫ってかくのかぁ、うたかたの、かっこいいから歌にしたかったのに
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「おれってさどれだけ食べても太らない」なんてあなたがルームランナー
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嘘が舞う夜道に一人佇んで「嘘なんでしょ?」とくうは知らんぷり
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毎日と変わらぬ靴の履きごこち新元号の朝の玄関
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酔って乗る埼京線の傍らでいつもの景色がぼやけて嘘で
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恩寵はすべてのものに紫木蓮白木蓮の花の上にも
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さまのように笑った君の顔だからこんなに魅かれたのかな
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お花見もひとつくしゃみの爆風で杉の季節なり花びらが舞う
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「詠歌大概」ゆきなやみつつよむ日々の春のはじめのゆきやなぎ咲く
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ツイ消しの季節はついにやってきて 風にあらがい生きていくのさ
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買ひ物の不便な街に住みなれてひと駅ぶんの散歩楽しき
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憂ひ患ふ こと無かりしが  首の根の やはらかき場所に 赤斑出たり
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xenonきせのんの 光は消えし 蒼鉛に 人が死にし 崖にしあれば
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タイム、セージ ローズマリーとタイム以て 「絶望せよ」と 我に手向けよ
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今日の夜黄金糖が降るでしょう籠と傘とをお持ちください
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大きな手で包み込んでよ眠れない夜の閉じないまぶたをそっと
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ふたりで同じ銘柄を吸うくちづけが一緒の味でとろけて香る
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植物が似合わない人だからこそ誕生日には薔薇を一輪
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