肩口が逆三角になってるのあなたを抱いて初めて知った
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出会うため幾度と幾度と転生したの今出会えたねちょうど100億年
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金の鎖わたしの首にかけてみてふたりの世界が約束になる
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くちびるにルージュを塗るの下手くそでキスするたびに顔を背ける
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波を打つ心臓が、嗚呼、裂けそうで、そのうち殺されてしまうね
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シングルのベッドで眠る白猫はあなたを抱き枕にして寝るの
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ぱちんぱちん手足の爪を切り落とす交わることはやわくなること
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晴れないよ桜の豪雨襲い来るきみがとんぼを踏み潰したから
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「焼きマシュマロゲームって何、ちゅーするの」「ゲームじゃないちゅーならしてくれる?」
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教えない結婚してもペアリング千五百円の 使ってること
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からっぽとからっぽ 惹かれ呼び合って からっぽを継ぎ またからっぽへ
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手つなぎは遠い記憶の渦にあり断片さえもばりんと割れる
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指先がキャンディみたいな色しててなめたら甘い声を出すきみ
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‪黒インクこぼした空の果てにいるあなたと同じ月を見ている
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点滴を伝って俺から逃げていく血さえも造ったのは俺のはず
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その声と言葉遊びで軽くなるわたしの心よ君は魔術師
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くちびるの柔らかさをいま確かめたい言い訳にして貪る蜂蜜
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初めての告白をした駄菓子屋の金のエンゼルあれはまぼろし
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疲れたら紅茶のパウンドケーキを食べよう 明日も生きていられるように
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はりついたセーラー服のスカートがももに絡んでもう夏が来る
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メールには記載されないことだまをポストに入れる朱に染まりゆく
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通り過ぎ終点まで来て駅員が「終点ですよ」うるさいうるさい
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イヤホンを詰め込んだ耳あなたには私の言葉は届きやしない
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たんぱく質とたんぱく質に戻り ここに暮らせばモアイみたいに
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‪君の住む街の味がただ知りたくてスーパーで買う赤い濃い味噌
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春ショール少し編んでは手を止めて眺めてしまう君の横顔
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「ちょーかわいい!めぐみモテるし肌キレイだし…私もめぐみみたいになりたい」ちょーウケる私のほうが数倍かわいいでもとりあえずは上げといてやるか
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会いに行く電車はいつも遅延したパブロフの犬 犬以下のバカ
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しながとり猪名野をゆけばぬばたまの夜空をこがす大輪の花
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新宿へ行くも帰るも一人きりこれからきっと死ぬまで一人
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