何なのかわからないままとりあえず壊してそれきりになったもの
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「君と二人 線香花火見つめてる妄想」ですら不要不急で
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夏の顔して膨らんでいる雲がスーツも似合わぬ僕を責める
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家々はふかふかとゆく夕暮れの黄緑穂揺れる草の海原
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夕陽差し明暗しだいに増してきて高層ビルは発火してゆく
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愚か者 愚かなことを 続ければ 愚かなことも 気づかぬほどに
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恐怖とか 不安を煽る 言葉には 耳を塞ぎて 知らぬ存ぜぬ
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マッサージ 気持ちいいのは わかるけど 病気が治る 魔法の呪文
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足のツボ 痛くてツボと わかるけど それがどうして 病気が治る
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筋肉が アレルギーまで 治すとは 人の体に 神秘が満ちる
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小娘は 太い太腿 恥ずかしく 爺は恥じる こけた胸板
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ゴミ焼き場 目指せ筋肉 つけるため よぼよぼ爺 痛々しくて
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世の中は 理不尽ばかり そのわけは 強い者らの 我儘治世
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これからが オリンピックの つけ払う 長く激しい コロナマラソン
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おじさんは 家の周りを ジョギングし 叔母様たちは カーブスに行く
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月見上げ切なくなって泣くけれど夏のせいってことにしとくね
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部室から星が綺麗に見えそうと話してたけど見れずじまいで
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人間も光合成をするのだとカーテンを開けふと思う朝
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金色に鈍くまなこは反射するどうか教えて鱗の色を
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踊りましょう行方知れずのこの星で 命をおしゃかにタップダンスを
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べつにいい「いいね!」がゼロでも僕は詠む 僕だけのうた、僕の宇宙で
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夏の夜の曇り空に月洩れて 人の暗黒夢魔の夢映す
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無知の国戦争虐殺糧として 繁栄したる末路の地獄
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芯の無い抜け殻頭が群れている 街は収容所となりにけり
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平地よりはるかにのぞむ山庭に 霧はたぎりて神代あらわす
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湖に流れいる川渡りつつ つかの間見えし雲霞の境
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あさがおや 藍きあさがおあさがおや 牽牛の名も くもは知ります
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あおにおう美東牛蒡のおいしさを、知る子は多く 愛をります
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愛のかぜしれば巽にほはなびく。君の住まいし、洲に度らん
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自販機を探してゆけど、立羽蝶 舞って夕さる長登かな
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