夕暮れに 触れる指先 会う視線 林檎が二つ なんて妄想
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頭からかぶるシャワーの熱さに枕を濡らした涙が浮かぶ
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悲しい爪はかなしい唇をつきやぶり泣いてハンカチのあとを探る
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みどりのペンキ声をはがしてはがして自転車下ろす
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新聞は冷えたインクの匂いする玄関前は冬の入り口
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舌の上隠しておいたオムレットファミマスイーツ甘美な魔法
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琴線に触れてくるもの ぼくたちは奏でられずに途方に暮れた
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冬ざれに人を切り捨て修羅羅刹我見て人は鬼と言い捨て
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ファミレスのコーラ一杯飲み干して氷が落ちた底はプリズム
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オリオンの三ツ星の下糠床ぬかどこをただかきまぜて明日も生きよう
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日めくりの切り捨てられる一日にせめて歌でも添えてあげたい
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真夜中のコンビニに ファミリーマートに何を探しに 向かう僕は行くのだろう? 下を向いてた切ない心を 星は見えない埋める何かか?
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追伸に隠しきれない未練かな海外転勤おめでとうございます
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怖いから、今の関係をキープする。君の好きな子は私じゃないから。
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更けてゆく夜にコンビニ向かうのは切ないからか星眺むためか
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不合格 分かっていても改めて文字を見るとショックだよなぁ
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席替えが嫌だと思うのは君の隣の席になったせいだよ
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ありがとう そう言った時の おぅ!という返事が爽やかすぎて眩しい
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眠れずに 夜のコンビニ 行くけれど 欲しいものなど 何一つ無い
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神仏に縋りたくなる気持ちとは裏腹に指立てて睨め付け
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身体よ今日も生かしてやったのだたまには礼の一つでも言え
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虎落もがってはいない 遠くで警報灯サイレンが鵞鳴る白黒曖昧な夜
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傘の下深く涙を飲み下し汐の驟雨 しゅうう割きつ進めよ
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届かない この言葉を 耐えきれず 絵馬におさめて あなたにLINE
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青い日の 祖母の姿を 見てるよな 変わらなくある 浜茄子の海
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三ノ宮駅の近くの歌姫のマイクを撫ぜる冷たい風が
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潰された畑の上に建つ家の屋根の向こうの光る金星
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おしぼりはいりませんかと笑んでいるおしぼりよりも白い手のひと
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顔濯ぐ最中に顔を出す乳首用もないのにご苦労なこと
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世の中で君を不幸にできるのは僕だけだから僕を選んで
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