知りたくて目にまる物ひとつづつ指差し指差し幼子が問う
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逢引を映えと言われたくなくて今年も雨降る七夕の夜
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訃報に喪服がないと焦る夢見た 服なんか最後でいいのに
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ブラックコーヒーに挑戦した日の濃い青空とアスファルトの香
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機織りじゃないけど 手製のシュシュをつけ 用事のまえに 電車でお散歩
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4号の ホールケーキを食べるよな 気持ちで私も生きていきたいよ
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女子アナの 世界を告げる 爽やかさ 待ち遠しきや 夜明けを待つ
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何願う楽しく生きていけるよに世の安寧があればこそだべ
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メールする 日は経つけれど 返事無し 人の心の 難しさかな
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ご近所のこども園から 元気なお歌聞こえ 今日は七夕なりや
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追悼のダンスはやはりLOVEマシーン老いも若きも踊ってた、夏
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静寂の勝手知ったる工場の電気を灯す社員より先
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トットット三回跳んで車との距離感測りカラス振り向く
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用意した足場使わず蟷螂が脱皮していた虫篭の縁
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ヨーグルトと 苺多めのフルグラで 今年も夏を乗り切る所存
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初蟬や 嬉しいような 憂鬱なような 切ないような 夏来たる
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離別して 新居決まり 出て行く日 最後の食事 妻と団欒
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夜遅く 鳴りし電話を 後にする 何事も無しに 安堵する朝
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鬱くしい 打ち上げ花火に 照らされた 君に今尚 生かされている
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ラインにて 同期の死をや 悼み合う 空の上から 投稿してよ
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年一度ねんいちど必ずその日に逢えるなら 私は來世らいせ織姫になる
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短冊にお願いごとを書いてみる かなわないこと分かってるけど
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夢の中 何度も嘆きし 我なれど 覚めた現実 安堵の朝よ
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人をする以前に如何?と問われたらいや、やめとくと答えていたはず
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昨年は 持病以外には悩みなく 七夕餅とか はるばる買いに
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義母入る 施設探しが 七夕の 私の予定 良い出逢いあれ
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ウイスキー 残り少なし 控えよと 妻の声聞く 嘆きの時か
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ふと見せたあの娘の笑顔かわいくてまた見るためにぼくバカをやる
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雲過ぐる外山とやまの空に鳴神の音はしながら晴るる夕立
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仕事部屋 携帯遊びし 突然に 妻は冷ややか 我を見るかな
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