可愛さはそこに詰まっているのかな同じリュックをあとで探そう
3
もうすこしいつしよにゐたいな ささやいてうつむくひとのまつげのながき
3
どうでもいい本当にどうでもいいはずの思い出が消えてくれない・・・
1
道の駅見知らぬ花が売られてる値札に名前ホトトギスとある
4
かれはてて花たちばなのかげもなし行方しらせよ秋のやまかぜ
3
次々と消えてく明かり我々の命とおなじ手軽さである
3
うら寂しい香りの風に揺られるは我が頬撫でる白き箒か
1
火曜日の夜に 酔ひ伏す 人にふる 金木犀キンモクセイのかほり  無下かな
1
名も知らぬ花をあだ名で呼ぶ君と僕とで作るノアの方舟
6
男郎花ぐったり下がりヨコ見れば 真っ直ぐ育ち恋の勝ち負け
0
街灯に滲む夜 手を伸ばしてつかむ夜 寄る辺なくよるに
1
ふやふやと眠気はどこへ行ったかな あんなに仲良くしていたものを
1
触れた手の温度も声も輪郭もぼやけた人がまだ好きでいる
6
君に逢うそのことがもう怖くって それでもやはり顔が見たくて
0
わからない上書き保存の方法 忘れられないあなたの仕草
2
しゃがみこむ 裾から見える足首の細さに少し胸が苦しい
1
背負ったら同じ可愛さ手に入る? リュックのタグをこっそりパシャリ
0
会いたいけれど会えない私が誰かに愛されるまでずっと
2
唐突に色や香りや指先の感覚全てが蘇る夜
5
逢はぬまま朽ちやはてなん夕陽さす口縄坂に紅葉かがよふ
2
季節遅れの 西瓜持ち 訪う人に 風鈴しまう手を休め
0
段ボール だんだんと庭土に溶け 庭の片隅 月が見送る
1
ヒマラヤの岩塩溶かし 四十億の海鳴り ガラス震わせ
1
「死は救済」なんてうそだよもしぼくが死んだらちゃんと花を替えてね
4
手ぬぐいを洗って干して忘れてきたよ 毎回こうだな 傘も忘れた
0
スプーンで潰したいちご眺めてる もう好きじゃない好きなわけない
4
黄昏の空に笑った君は今見るも無残な泡沫だった
1
大丈夫なんてったって神様に頼まれ生きているのですから
2
泣きながら顔ぐしゃぐしゃになりながら「よく頑張ったね」と言ってハグした
1
下草が隠す小花を摘むようにToDoリストをこなす毎日
2