iPhoneで集めた砂鉄を手のひらに落とし今宵の思い出とする
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彼の川を渡る意気地はまだ無くて娼婦みたいに抱いていてくれ
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天使にも輪っかのあればこの子らも死んでいたのか武器を片手に
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悲惨だったはずの眠りに夢が舞う 小鹿、流星、花火、ダンス
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メリークリスマス お忘れ物ですとレンズの端についていた雨
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真ん中に何もないって気づかずに踊り続ける奇妙なお祭り
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その指に繋がっている赤い糸噛み切ってから出直してこい
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帰省せばどいつもこいつも田舎顔じゃがいも大根きゅうり顔
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幼さのその柔らかさが おそろしく 傷つけるのも 傷を負うのも
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僕なんか やめておきな、と突き放す キミの孤独が ひどく痛くて
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(生きること 他人ひとの心も こわかった) (ごまかしかたを、覚えただけだ)
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「今はもう 死んでしまった星たちのひかりがここに届いて怖い」
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くらやみを這って生きてたアタシのを 「光」 と言った 君の目こそが
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スマホではか弱い光かもだけど ここでなければ君に会えない
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宇宙服脱いだら他人事だった景色がせまってきて、めまい
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クリスマス二年ぶりに外食でワクワク食べてコロナ忘れる
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「何もかも意味はないけど特にこのこれには意味がないと思います!」
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少しずつ 白み始めた 庭先に 小さく残る 吾子の足跡
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怒ってばかりの僕に『踊ってばかりの国』貸した 笑ってばかりの君
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裸ではないとばかりの釦ありジンジャーブレッドマン笑いたり
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ゆびさきの心を映す水のよう鍵盤はふるえうたい始める
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かさねかさねふるえふるわせ呼応するうたよ鍵盤は水の如く
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過去問を学校で解くイベントのおかげで冬も会えて幸せ
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クリスマスツリーのてっぺん待つ人のいない誰かのためのてっぺん
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意外とさ つまんねぇよな クリスマスに ひとりで食べるサンタの人形
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gotta make it loveガタメキラ きみは人型の天使だし 手を繋いでももう終わりだね
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平凡な今日と特別な日の違い一番星を探すかどうか
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眠れない夜をとらえて電光を追う魚のまなざしは乾き
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この街に染み付いた思い出の数を数えなおした頃に来る冬
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食べかけのバナナが乾くテーブルを恋の終わりのようにみている
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