南天がたわわに実り冬が来る もうない生家 紅白の記憶
4
顔に尻 くつろぐ猫の罪のなさ まあいいでしょう 仕事遅れよう
3
AMもFMも留守なんですか?途方に暮れる日曜深夜
1
あないみじ いきたふなし と嘆けども迫る荒波 この袖濡らす
0
月火水木金巡る 待ち遠し 土日の暇 たまゆらなれど
1
忘れ去り凝りて冷めぬる古懐炉かいろ 君が手取らむ 未だ温きを
0
恋の歌溢れすぎるにうんざりし 命は長い恋せずともよし
4
花の時期 人の時期とは違うはず 私の時期は私が決める
2
散りぬれど色こそまされ朝露にさくらもみぢはしとどぬれつつ
2
真っ白な塩むすびからふるさとの黄金稲田の味がしました
1
‪どうしても着けたいピアス耳たぶを撫でるここにも穴があったら‬
0
「イヤリングどこで買ったの」「いいでしょう、ドン・キホーテでさんびゃくえんよ」
0
‪「どうですか?」もう少しくださいご飯つぶ今日はお腹が空いているので‬
0
電気代どれほどかかるのそのイルミ 被災した土地 照らせないのに
3
晴れ間見て重めの冬服洗濯す 何もない日のありがたき午後
5
朝冷えの空気を纏う群れを乗せ夜明けから逃げる阪急電車
1
姉に借りたハイヒール 履いた瞬間ときから 刻々と身体ぼく/あたしがつくり変わって
1
「更新はありません」の文字 の人も 音信不通のまま 変わってく
3
‪いつの間に違ったらしい振る舞いの釦欠けたか引き千切ったか‬
4
北海道かぼちゃのコロッケがうまいね さつまいものも食べてみたいね
0
‪わたしとの約束守る早く寝て朝になったらパスタを食べる‬
1
犬が逃げ家族途方のSNS高校生が保護してくれた
1
‪他の子に向けるやさしさ全部ほしい私は恋をまだしたくない‬
1
泣き叫びそれでも通らぬ言葉あり 負けてたまるかお前らなどに
3
山戸なる修験者だけが救い上げ 不祥事だらけに眉をひそめても
0
ちり集い星生まれるとするならば死んだら星になるのも道理
4
たまきはる命はかなく「死と乙女」聴く小夜ふけてあはき菊の香
1
お友達とピューロランドに行くゆめを見てイヤリング作る休日
0
宝石のようなくれよん前にして使えないまま時が過ぎてく
6
白鳥の飛びゆく様の隊列に 混ざれない子もいるのだろうか
3