「無理するな」友のいつもの声ありて 少し笑って無理する私
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午前二時二十二分の暗闇に 希望灯しつ 歌詠む我は
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あなたなど忘れていると 言いながら 心の奥に 嘘の種植え
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辛いこと 話してみれば少しだけ 楽になるのが心のシステム
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おろかだな 「置いてかれた」とか思うなど 別に一緒にいたわけじゃない
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「サンタさん 園長せんせ なんだよ」と 耳でささやく 孫の複雑
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三月の 日差しのように 冬の日を 慰められる 我になれたら
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野を焼いて凍える山を越えたなら星に願いを海で死にます
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老人と子供に席を譲るマシン幸せなんて願えないけど
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今日の服どう? って訊く私の家の布団に積もるたくさんのif
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教室の小さな怪獣つまみ上げ君は怯えないヒーローだから
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太陽へ向かう羽もいでまだここでヒーローの活躍を見せてくれ
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今日の内家まで運転できるだろうシンデレラには新車のジープ
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直視できないイルミネーション 今年も脳を灼く真鍮 愚かで
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静かなる雪を払った素手の先ドアミラーには母親の我
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今日はだ いつもの酒と 眠剤は 僕を眠りに 誘ってくれない
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「君が好き」 そんな言葉を 飲み込んで 海底に沈む 貝になりたい
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生きている あかしのような 耳鳴りが 僕の眠りを 妨げている
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駅近の コカ・コーラの 色せた 赤いベンチは しぶとく現役
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だとしても だとしなくても どうしても どうしようにも なかったけれど
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懸命に喃語を話す君の声 表情からも想いが伝う
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瞬いたイルミネーション焼き付いた 瞳の奥に君の笑顔が
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朝起きて 布団を出たく 無くなった 寒くてプラス 猫もいるので
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ひんがしへ干潟をすすむ引き潮と光の海をひらきつづけて
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にょっきりと如来は立てり繞堂にょうどう如法暗夜にょほうあんやの女僧はすすむ
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100%パーでずっと生きてちゃ疲れちゃう 60%パーで良いとしようよ>私
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きらめきの向こう側まで連れてって 手を伸ばしても届かないほど
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席替えで 2連続だ 君の隣 私の心は ポップコーン
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手紙なぞ出しなさんなと言うことか 値上げになれば恋文も来ぬ
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懐かしい 人生ゲーム 笑えた日 リアルなこの世 いつか笑える
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