耳千切り血濡れの鼓膜を火で炙る セミに花火にゴミ野球
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空っぽと思いし箱に菓子一つ何もなき日にチョコ微笑んで
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かまびすし蝉の声振る7月の死者の叫びを浴び立ち尽くす
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かまびすし防犯ベルで根源の君駆けつける消えたいすごく
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風の子の保育園裏夜気にまだ自転車二台しんと停められ
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「ここにいる」叫ぶ蝉たちうらめしき俺もやろうかこの野郎ども
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淋しさを紛らすために少量のバケツの水を被る午後5時
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読みさしの本も、涙も、宿題も、ぜーんぶ見ないふりでねむるの、
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あかねさす夕日眺めて立ち尽くすひとときにあなた思い出せずに
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汁なしの担々麺をできるなら一緒に作って食べたかったよ
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きみだけに見せる笑顔を遺影にはされたくないしぜんぶ消してね
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もう知らないと拗ねてる間にいつの間に 全部取り返しがつかないな
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人生は遠いところに行っちゃった 今更足掻いても遅いようだ
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頑張って偉いがそれじゃ稼げない ちょっとの素敵じゃ食っていけない
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夜通しで五輪観れぬが録画では感動薄れる悩ましき時差
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優しさに悪態をつき吐き捨てし腹立ちにける己自身に
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労りで優しき言葉かけられし悪態をつく己を恨む
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かるくって カシャカシャいうもの チビ猫も すきだよ「まくど」の「ぷら・すとろー」とか
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いたいけなあの子の未来を断ち切った人差し指を濡らす雨粒
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YouTube越しに聞こえる猫なで声 僕新宿の地縛霊してる
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蚊の羽音聞き流す夜 左手がすべてを負って腫れている朝
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夜を裂く銀の駿馬に君をみる 花の都へおかえり、ジャンヌ
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体感す 夏の記憶は 年々と 砂漠の中に 溶けていくよう
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おとり籠トリモチ携え山に入る若い頃なる苦き思い出
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飴と水忘れた散歩で自販機の前に立ったら値段に驚き/(スポドリ150円じゃないの?)
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雷で明るい空を眺めるも海を知らない一人の青年
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夏空はかたちとりどり白雲の数多あまた描かる青のキャンバス
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家中に覚え書きやら注意書き貼り紙増えて吾子は憂ふる
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蚊は居らず 猫も杓子も犬までも 翳で避けるか陽射しの重さ
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(だめだこりゃ)外へ出て知る午前九時 かつて無い夏 今日の名古屋よ
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