君が胸とどろく音のこころよさ 瞼のとばり やや下ろしつつ
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彼にこそ知らめ と艶めかせし爪 思ひ及ぶるとき 待つ乙女
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真夜中に こっそり握って 頬張った 塩おむすびの 味はとくべつ
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あかねさす 眠れる君の 居懸ゐかかるる 外寒かれど 我が肩ぬく
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つづら折り耐えて差し着くいただきの 気のさやけさに 雨もまた良し
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この時間 どうご挨拶 するのやら  あと数分で 明日の風
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明かりなき困難な道切り拓く 靴は丈夫に明かりを持って
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年賀状 宛名のバイト 息をつき ペットの写真にふと癒やされる
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みづからのとげにきずつく柚子なれどなほあまりあるかをりなりけり
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その皮を穿くことは無いだろう  蠢け 喚け 赦すことなく
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なんのため生きてきたのか分からずに今日も今日とてあんぱんを食う
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ペアリング 外して向かうは 推し事へ 誰にも言わない 小さな浮気
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「止まないね」肩を並べて縮こまる 傘を隠したもう少し君と
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美味しいね皆に言わせる冬の牡蠣ひとのからだのどこかにも似て
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散り紅葉ひとひらひろふ暮れがたのからくれなゐに染まるわが恋
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きんつばを犬に隠れて食べようと口を開けたら犬の鼻ある
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蜆川天の網島赤き紐首縊る治兵衛に涙ながれし
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6時過ぎまだ太陽は出てこない暗い朝がまたやってきた
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永遠に来なければいい月曜日 ホットミルクを飲んで眠ろう
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買った本すぐに読みたいだがしかし昨日も今日も勉強してねえ
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あかちゃんはあたらしいひと次々とDeep Learningの結果生まれてくるの
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‪したたかに生きる野の花みならって少しは強くなってみようか‬
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紅葉の公園に建つ大滑り猛スピードに親子ではしゃぐ
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自分よりはやく眼鏡をかけているそれはもうねえなんか革命
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指先に ひらりと落ちた 結晶は 行き先告げず 溶けていくだけ
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きみのに かがやく星を 散りばめて 永遠とわの銀河へ 旅に行こうよ
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仕事終え降り出す雨に傘もなく空き腹にすする饂飩うどんの熱さ
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虫の音もたえて久しくなりにけりものみな枯るる真夜のしづもり
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雨の日は家から一歩も出たくない 布団からだって出たくないんだ
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29年生きて初めて気付く事好きな季節は秋のさびしさ
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