特別な ハッピーデーも ありふれた 一日だって 日々記念日
1
優しさで死を冀うくらいなら卑屈でもいい生きてて欲しい
3
ふわふわと紙飛行機は飛んでいく小春日に寝るあなたのもとへ
0
さくさくと小口にきざむ青ねぎのかをりすがしく冬さりにけり
0
枝豆を食みて 聞きゐし  亡くなりぬひとの上に 水子五つあり
0
朝寝髪くしけづりつつ子の話す夢のつづきはわたあめのやうに
0
氷より脆い心で今生きる 溶けた涙はまた凍りつく
3
桜色と涙色とに世界が染まる恋をしたなら恋をしたから
0
気の利いた言葉は贈れないけれど 美味しいお酒で乾杯しよう
0
好きなだけ吐き出してきたつもりでも まだ知らないの 心の名前
0
フリジアの地に建つ 蒸気の水門に ひとは頼めり  昔も今も
3
すみれほど小さき人に生まれなばすみれの色の靴を履かまし
1
あなたへと手紙を書いてみたくって あなたの名前しか知らないけど
1
夕闇に群れ成し鳴いて渡り鳥 しばしの宿を分け合う我ら
2
夢はいつもかへつて行つた白壁に干し柿熟れる遠いふるさと
1
年賀状 人の子よりも犬猫を 「海外行きます」自慢かそれは
2
クリスマスぼっちぼっちと言うなよな 誰にも注ぐ祈りを思え
2
力こぶつくるあなたの筋肉に触れてみたいと密かに思う
3
‪いつまでも生きるのだろうこの世からいい人順に死んでいくから‬
3
船寄せし 宮古の浦の 月山がっさんに 月かかるさま 見し宵ありし
1
をりふしに 古書街ゆきて 百円の 文庫もとむは 楽しかりけり
0
‪イチョウ切る金の絨毯敷きつめるウィザード作業員たちの唸るチェーンソー‬
1
‪懐かしい人に会う、との占いでまだあのひとを探してしまう‬
4
明け方に新聞をとる 空見れば白く浮かんだ月がぽつりと
1
夜に泣く歌くらいしかうたえない 悲しみだけで生きてる、私
2
電気消す君の手を取り胸元に 今だけでいいよもっとよく見て
2
消耗し今日も眠れぬ夜の帳目閉じるたびに明日に怯える
1
落ち葉降り つるり黄色の 並木道 木枯らし追えば 魔法が続く
1
なにものももたずに生まれなにものももたず死ぬこそいのちなりけれ
4
どんな風に取り繕えばいいそして真顔で過ごす胸の痛みと
1