後輩が彦星探しをするという それなら私はいかがでしょうか
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島国に住んでいるので海よりも深いところを知らないで死ぬ
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家捨母捨て夜逃げせし いでつる月に故郷みゆるは 天王山
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親友と別れてすぐに来たライン「素敵なひとだね」「せやろ」と返す
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いつもなら食べない最後のシメラーメン「ギルティだね」と笑う君が好き
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好きなもの食べることより好きな人が美味しいと言うほうが嬉しい
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生雲丹なまうににはしゃぐ貴女あなたの横にいて 生きてる意味を実感してる
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札幌の親友と会い三人で食べ、飲み、笑い、切なくなって
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初夏に舞うポプラの綿毛が「雪みたい」キャリー引きつつ貴女あなたがはしゃぐ
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夜遅く着いた札幌ジンギスカン ハズれだったと笑いあったね
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出発の飛行機内で自撮りしておどける君が意外で、好きだ
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あいみょんのマリーゴールド聴きながら空の青さを吸いこんでいた
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最後かもしれない君との二人旅 色 音 匂い すべて刻まれ
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いつまでも子離れできない私です 一度の人生それでもいいよね
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桃もらい 季節の果実 実感す 明日のお楽しみ よーく冷やして
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上向きの矢印真上にあるときは上じゃなくってまっすぐ進め
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管理簿を受けとるときに指がふれ何もはじまらない金曜日
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藪露の景色も霞む草いきれ見上げる先の雲背負う虹
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愛に似た何かが二人引き寄せた 本当の愛に理由はないの
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君たちと遊んだ日々を生成し屋根裏部屋に玩具を片す
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彼は今誰を想っているのかな 知っているのは白い月だけ
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感受性くらいと聞いて笑ってた中学の俺よ守って笑えよ
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童子らにくまもあまさず食はれけり夏まさかりの氷金時
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せいけ一分一秒狂ったら あの夏彼とは出逢えなかった
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何もかも全て消えろと吐き捨てて青い袋にゴミをまとめる
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安心を与えてくれる人が好き与えてもらう前提なのかよ
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不安症コントロールが難しい 我の心が大きく波立つ
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少しずつ、いや少し派手に歪んでく俺の心がまた荒んでく
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暗く染まる部屋で眺める 網戸に浮かぶ鮮明な蒼 夏の夕に写る特異性
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きみといる 波がまぶしい わたしだけ 見ているんだと 心にしまう
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