食欲の秋になりますコンビニのかぼちゃプリンを君に教えたい
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泡沫の夢の終わりは透明な鳥籠の中から見る世界
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どの季節も結局一人寂しくて、きっとこのまま好きになれない
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二十二時グレーの毛布の海の中か細い声は泡となるだろう
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不幸中の幸とでも言うべきかな、パンドラの箱にお別れのキス
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買いに行く気力も無くて石鹸できしむ髪、朝、怒らないでね
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低いとか言ってごめんね声が出ていたこと自体すごかったのに
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安寧の場所がトイレの個室しかない同類よ、この指とまれ
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ぼくたちは青白く淡い希死念慮切れたシャンプー 買い帰るのに
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明日の二時錦糸町駅南口に立つ老婆こそ未来のきみだ
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‪慎重に進んでだめになったから極端だけど次は気楽に‬
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背景の一部になっていく君がいたから少し優しくなれる
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「夜までに止むといいね」と言う君と遣らずの雨をこいねがう僕
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僕たちの世界を変えるきっかけはいつも瓦礫の中でうまれる
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「もう八年経つから消えてほしいよね」笑い話にする左腕
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‪気づかれてないと思っていたけれどひとえに君のやさしさだった‬
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ははそはの母のふふますちちふさのあまきにほひのはるかにとほく
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ケンタッキーフライドチキンのテーブルに積まれていく元恋人達の死
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割りすぎて溢れ出したるどろどろの腹を正体とは呼ばないで
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フェルメール色と呼ばれるあの青の絵の具がないときみが塗れない
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今日もまたなんでもないこの一日が終わることへの不安と安堵
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時化ゆえに 訓告与ふひと 耳は故郷くにのことばの 間延びしを追ひ
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首筋の彼氏とセフレの境界に指先で引く藍色の線
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もう一度あなたと出会い直すなら言語化できない愛をください
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口角を三ミリ上げて目を細めプライスレスの笑顔を捧ぐ
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幸せになるには一本線を刺す きっとそれには痛みを伴う
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ダメの「ダ」を強く発して帰宅後に机に落とす頭突きがひとつ
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唇は不意に動いて出鱈目な歌詞でもいいさ次はイエモン
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ぐぅぐぅぐぅぐぅと寝息をたてる小型犬鼻をふとんに押しつけ眠る 
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すききらひすききらひすき乙女子のかざしの花をちらすあきかぜ
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