さよならも言わずに消えた赤い口やさしさだけじゃ辿り着けない
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手首切る人の気持ちが今ならばわかる 身体に生を刻むの 
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誰のためにもなれなくて思い出す 私のためにもう生きられぬ
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「上手に生きられなくてごめんね」と呟く君を浮かべて泣いた
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アウトレット行くから欲しくなるんだよ だけど行きたくなるし我慢も
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きらきらとかけらかがやくかたまりの氷のこにて挽ききりゆけば
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あなたが選んだあの人は絹のハンカチ 私は木綿 そう、木綿
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愛という言葉なんぞに泣かされて爪でつらぬく手のひら、生きて
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処女にしか懐かぬというユニコーンの角で自傷していたあの子
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客よせのパンダになれと黒ぬったニセモノでした ぼくはしろくま
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うつせみのこゑもやうやくおとろへてくりかへし弾くワルトシュタイン
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コンビニのタピオカ名乗る蒟蒻を噛みキャッサバを知るような恋
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忘れてしまえ肩の荷はぶら下げた二本の腕のせいにでもして
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始球式 私が投げて いいですか なんでダメなの 私ダメなの
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クソ偏見 広める前に調べろよ 無知無知してていいのはグミだけ
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¥1,000-で四枚セット新しいパンツの僕を見る人もなく
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iPhoneで「祭・花火」と文字入れたLINEと同じ咲き散る光
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教科書に載っている公式よりも賢く生きる術を知りたい
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見た事も会ったこともない 「君が好き」 誰に向かって言っているのか
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しやせましせずやあらましまよふ間にはや夕ぐれとなりにけるかな
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‪引力の発生しない恋愛を‬「経験」と呼ぶ輪廻にはまる
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《霜月は非線形也》託宣が機械仕掛けの神より降りる
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淡々とクッキーを抜いていくような昨日に今日もそして明日も
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野分あとふりさけみればあまの原くものかたちのあきにちかづく
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さよならも言わせてくれぬ歳上の遠い背中に唇を噛む
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愛想よいつもりで笑うわれの目は藤田和日郎作かもしれず
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道端で のたうつ蝉の断末魔 もうすぐ夏が終わるそうです
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繰り返しあなたの名前呟いた 明日はきっと名前にくんを
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君からの大好きだけが欲しかった十五の僕に線香上げる
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台所だいどこの積もる皿には触れもせで比較優位の意味を説く君
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