君なりのオネムのサイン 夜時 口尖らせて目をこすったら
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アクリルを隔てた空に浮かぶ眼がなかったころの遠い水面
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指さきを絡めたときの熱だけがひとりの床をあたためている
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花籠の 赤やピンクの 艶やかさ 息子キミのチョイスか? いや出来た嫁
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おやと子も 花のいろほどさまざまに 星のうみほど深く静かに
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身じろぎを取り沙汰されし太陽も 幾つの母子 見て今あるや
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老いた背を小さくまるめ朝マック ふたつトレイを持つ子の来たる
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花や木と生きるよろこび知らず亡母はは  いっしょに植えたいりんごの苗木
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母の日に亡母のおもいつのりくる 幸さちの花束届けぬままに
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底のそこ ひしと感じる みなの踏ん張り 靴磨きする 日の仕舞い
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山駅舎 待ち合い隅の招き猫 左手上げて人来るを待つ
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引き出しに別れたキミの忘れ物 てるてる坊主のキーホルダー
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わが妻はわれ組長の名代で町内会の総会に出る
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理屈とは時に無意味で退屈で感情的になるだろうもの
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最後まで何を伝えたかったのか分からない本みたいな説教
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ありふれた変化に怯え不確かな愛を片手に俯いている
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枯葉でも腐り肥やしになれるのに憖腐らぬ私は最早
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罅割れた硝子の先に見えたものそれは「天才」そのものだった
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この詩は私達には分からない謎の痛みを齎している
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強くても優しくしても日を追って稚拙になっていく卵割り
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低気圧ならもうやめて もう少し腰も上がらず潰される脳
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赤赤とトレーにたまるドリップに溶け出していくお肉のたましい
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ブウゥンと薄暗い部屋に光る夜 電子レンジの気休めオレンジ
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濡れたシミ 壁に向く声めそめそと潜めぬ感情悲しみで染め
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君だけは偽物なんかに惚れないで 作った私に惚れないでいて
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最後の君 微笑み言った「ほら早く次に壊す女 探しに行けば?」
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早すぎた海の風を切符にして君に会いたい季節になったよ
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夕立に黒髪濡らされ俯いた ぺトリコールは嘲笑っている
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延々とくりかえしてる警笛の音がなりやまぬあの日を
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輪郭の延長線にある皮膚をちがう温度の皮膚でふさいで
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