暗室のモニターに動く心臓の隅々までを余さず見せる
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いけねえや出かけた腑万飲み込んだ嗚呼面白い嗚呼楽しいな
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左腕ドラキュラもどきに差し出して大さじ一杯ほどを覚悟す
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既視感に沈む吾の歌またひとつ詠み続くさき 何が芽吹くか / 先ずは百首詠もう!
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秋空にナナカマドの実の色映えてバス待つ人らの視線集める
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空見上げ 雲居の空に 瞳閉じ 君想いしは 一炊の夢
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芙蓉花 薄曇りのなか 鮮やかに ピンクむらさき 母の好きな色
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文人に 天下の奇観と 評された 雲海たなびく 山谷連々さんこくれんれん
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痛くない傷に限って誰からも見つかりやすい場所についてる
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森に入り リースとなるよなつる探す松ぼっくりも此処にいるよと
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天高し ノートみたいに端っこに明日の献立書いてあるかも
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種を撒くようなことだな押しつけの無い優しさを置き去っていく人
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二次元と三次元のアイドル達がアクスタとなり巡る伊勢志摩
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献金にカネかね金とかまびすし鐘は上野か浅草か
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道のりは遙かなるかな精神科。ふるき薬を仏と見たり。
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田舎空 合図花火が炸裂し運動会が始まってしまふ(体育は苦手でした)
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公明党政治とカネが限界と二十六年の連立解消
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長からず 短からず 燃え尽きず 半熟玉子の青き春にて/離島に生息してました、キロさん。
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昭和にも東京五輪のありしこと十月十日の今朝おもひ出づ
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朝散歩 鈴虫が鳴き 大鴉 ふわりと着地 威厳に満ちて
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パリの街我が遭ひたるロマの娘 スリが生業なりはいとは哀れなるかな
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だんだんとちいさくなっていく僕のつむじをずっとそこから見ていて
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『カナリア』のスタライには茹で玉子 ウデスタ一択あせだくだくに(赤茄子日本翁、同学ですなっ)
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[あばさける]とは福井方言[はしゃぐこと] 我はあばさけ者でありにし
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しとしとと 降りつる雨に 夜は寝て おきし土産は 呼小鳥かな
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秋空に タカのワタリを見上げその迷いのなさに胸揺さぶらる
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ほうき草 丸いフォルムが愛おしく 紅く染まって いや増す可愛さ
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あかねさす 紫立ちたる 暮時に 漂ふかほりの みちにのりける
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ねぎらふかの如 すり寄る猫を撫で 食む出前ピザ 週末の宵
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擦筆さっぴつを夜な夜な作り溜めるのは美大への道断たれた当てつけ
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