東風こちかぜたてがみ揺れて三島江の葦の若葉をあさる春駒
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癲狂院しづまらず木の鞭撓へり一頭の青年剥き出して肋骨
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今日という未来を知らず生きていた昨日の自分が無垢で遠くて
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唸るだけ唸って吸わぬハンディの掃除機ねばれカリカリ一個
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渋滞で 時速2キロの かたつむり 少しのんびり 進めってことかな
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真夜中の恋しい声も夢の中朝陽とともに君は消ゆ
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降らないといいな 傘無く眺む車窓には 菜の花が笑む
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けがれ水海月なしただよふくににありて稼働炉つぎつぎと廃炉のひかり
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珈琲の 酸味苦味に 溶かそうか 好きも嫌いも 夢もうつつも
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「変わり無く」「いつもの薬を」「お大事に」患者を半日程通院日
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この空が ぬくきひかり 届かせば 哀しきこの世 春来たるかと
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まだ咲かぬ 蕾もいつか 開こうや 人の心は そうとも限らじ
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ここに来て なにをガンバる 雪女 冷たい吐息 夏こそ頑張れ / 明日からプラス気温
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まだき咲く花もありやと待ちかねて訪ねぞ来つる峰の白雲
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緊張で喉を通らぬ朝ごはん美味しい夕餉を夢見てドア押す
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川崎に広島弁の新人さん 淀んだ空気に瀬戸の海風
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蟷螂のオスの最期を知ってから君を少しく遠ざけている
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香気立ち春を覚うる沈丁花 木々の新芽も固さ緩めり
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春の精 つぼみに言うよ 朝だよと ねぼけまなこの 桜五分咲き
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「ぬばたまの」が夜の枕詞なら私の場合は「きらりらの」にして
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氷点下十度を超えて三月の終わりが見えても春は見えずに
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墜ちる白鳥とり それでも君らプロだろう 子どもら魅せろ 意地と誇りを
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春色の汽笛を聴き、土の匂いでごぼう食べたいなぁ
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さくらはいつさくのなか、ことしはまたさられ、かいかたのしみなり
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孫も愛犬も、それぞれ可愛い、人生の楽しみふえると、こころ豊かになり、
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始発なんとなく🈵、次駅で座れ、いす座禅はじまり、はじまり
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春陽あび自転車のタイヤに空気入れ磨きしついでに今年の初乗り
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日のひかり 澄みきった水 そよぐ風 おくれて気づく そのありがたみ
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23歳、化粧崩れを気にしてロクに泣けなくなった
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もう4月に差し掛かるっていうのにいまだに夜の散歩は肺が凍る
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