﹁卒業﹂と お騒がせ者の シンデレラは ガラスの靴履き いってしまった
1
アイロンで直せなかった癖っ毛も今日は一緒に連れて行こうか
2
この肉塊、まあね、そう言うお前らもさらなるその一部分なんだが
1
『お返し』に悩まされている 「どれにしよう」ではなく「どうしよう」の方
0
暖かい風とか吹いて花咲けば  しょっぱい春は勝手に終わるよ
1
ここにいる わたしはここにいるんだと 叫び続けるためだけの歌:∥
1
ひとりしか 入っていない この部屋で 蠱毒のように 煮詰まる孤独
1
どれほどの 覚悟を持って ステージへ 恐れ入るよ、と 垂れてゆく幕
1
幽玄の霧の底にて我一人 文字や恐ろし「猪谷」いのたにの駅
1
軌道遥か地鳴り響かせ双灯が300km/h三百キロで足下抜ける
0
優しいと小心者を間違えず大人は黙ってロキソニン飲む
3
心から どれだけ貴方を想っても ただただ私は ゆびをくわえる
1
林から冥府の王妃さらわれる還らぬ限り冬は居座る
0
今よりもやさしいひとになりたくて バファリン2錠飲み込んでみる
3
星が呼ぶ スピカで笑うあの人の声がきこえた そんな気がした
2
犬猫も、梅も桜もただ生きる。 勝手に癒され慰み浴びる
1
また突然砂漠の画像を映し出しメモリを浪費している脳だ
2
「今だけ?」と聞くその顔は可愛くて 「今以外も」と君に勝てない
5
「今から?」と聞く君の顔は楽しげで 言動の一致なんて気にしない
5
こっそりと隙間に開く蒲公英よお前いったいどこから来たの
9
口惜しさや 癒えることない傷だとか 何も知らずに ただ花は咲く
1
脳髄を揺さぶる熱が生み出した 人の心を恋と名付けた
1
死を運ぶ 猟犬たちが 跋扈する 今日も明日も 命が潰える
1
木の匙は唇嬉しとろけてるヴァニラ冷ややかおつかれ わたし
8
春風は電子レンジが温めた空気のようにもあんと香る
5
大衆に 悲劇と消費されるなら 生きてくほうがなんぼかマシだ
0
(君たちを 生み出したいと思わなきゃ よかったのにな) 白い五線譜
0
ヘリコ / プター オーニソ / プター意外にも 私は太郎 羽ばたく翼
0
金のオノ銀のオノではありません呼べよ我が名をヘルメス神よ
0
自転車のかごから恋と星と歌エトセトラさえはみ出す青春
0