空に指 運ぶ君の目に映るのは どれほど楽しいことでしょう
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おい夏よ あの夏においてきた夏のように 夏らしくありなさい
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苦かった 美味しくないし 色はいい 君が飲むから 君がいるから
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夏を背に 立つ君の顔 もう見えず 元々見えていないだけだろ
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心臓の鼓動か地震かこの揺れを布団と同化してやり過ごす
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捨てられる いつか自分にも 打ち捨てられ この世の未練 残さず消えよ
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愛しても 返されぬ愛に 疲れ果て 死に場所求め 今日もさまよう
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酷く痛む 胸の奥には 貴方には 決して言えない 秘密を隠す
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死にたいと 思い続けて 生きてきた 生きた屍 老いさらばえる
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ねこたちがおなかいっぱいで傍に そんなちいさな幸せでいい
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夜おそく 不安がどこかに居座って ねむれずに焦る 明朝5時起き
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気になる子 マスク外して 見てみれば 蛙化現象 起きてしまうか
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少年と 心で呼びし キミのこと 気になる気持ちは 恋かそれとも
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重すぎる 愛の代償は 制御不能 溢れ出る愛と 枯渇する心
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「『この味がいいね』と君が言ったから」 「サラダ記念日」からの引用
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夏祭りの 喧騒の中 抜け出して 見上げた夜空 上がる大輪
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満面の 笑み浮かべながら 眠る猫 見てるこちらまで 笑顔にさせる
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「死」と言うは大事な物や嫌なものそんな何かを無くしてしまう日
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葬儀費で皆に迷惑かけません生活保護に死後も託した
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私ならいつ死んでもいい葬式で田中好子のように述べたい
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「特急列車お迎えの方にお知らせします」駅に流れる 旅情を誘う
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こうやって楽しくバイトができるのも みんなのおかげ わたしのおかげ
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熱帯夜あと少しだけ明けないで 僕らが夢に、夢になるから
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待ち合わせ場所に揺らいだシルエット影から伝わる君の温もり
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夕涼み幾年ぶりの夜気にふれ届きそうなる星を指差す
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今頃は我が家へ向かう深夜バス 明日朝あすあさキミを笑顔で迎える
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来週は 石垣島へ 行くんだと はしゃいだ社員は 台風で横にいる
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山場越え 週末 遊ぶと 息巻くも 都合がつかずに 独りの休み
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炎天下 アスファルトの上 眩む陰 孤高に焦げる電線の烏
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まだ若いキミの人生これからだ 第2のスタート静かに見守る
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