泡沫うたかたの日々の過呼吸 酸素満ち千年前の種芽吹く肺
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叶うなら 虎になりたい 荒野にて 君を想って この詩を叫ぶ
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姿勢よくかたく変わらずそこにいる家族とは鉄だ柱だ
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名も無きものなどになりたき日 私は何ひとつ失きものに出来ず
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ホットケーキの層まるで君と僕だ 中身など無いただただ甘い
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泡沫や、ゆめまぼろしと罵って 僕を岸まで還しておくれ
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ふきとう、浅利、筍、菠薐草 きみの好きな鰆もいいね
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「アフガン」「ラグビー抱き」「ミルクの適温」妻が宇宙人になった
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好きだ好きだよ好きなんだ、「あと何回でイエスと言うの」
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きみがわたしを「嫌い」と言った いつもの檸檬サワーがこんなに苦い
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菜の花と土筆の草むら尻尾上げ犬嬉しげに四足ステップ
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泡沫うたかたの日々の過呼吸O2オーツーで千年前の種芽吹く肺
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石焼きの軽トラ来たらポチ歌うえるのでなくアザーン歌う
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誤解したまま生きてきてしまったが欲深さは罪深さではない
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明日にでも 僕がつかめなかった緋を 君はたやすくつかむでしょうね
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きみからの「いってらっしゃい」ありがとう。きみの世界は眩しく見えない
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辛い世を生き残るため 幸いの横棒一本 他人ひとから盗む
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物質であって私であることをわれわれはまだうまく言えない
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持たざるもの。足場が揺れて、揺れるまま眩暈とともに生きてゆく所存
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音がもし見えるのならば高音は針、雑音は浮かんだほこり
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「生きてゆけ」やさしく差し伸べられた手を 振りほどけずに、泣きながら立つ
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あなたが言うのなら信じてみようかなフロンティアでは愛が勝つって
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硝子戸の歪みの向こう誰なのか  分からないまま会える気がした
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きっとまた過ぎ去ってから「春だった」と気づく季節の最中さなかにいる
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冬ひとり動物園は空檻からおりでふたりぼっちだハシビロコウと
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ま た つ ぎ も 公 開 中止か…ハシビロコウ現れ二人冬、動物園
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町中に 子どものげんきな 大合唱! 腐った死体の アパートにまで。
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まっさらと 言うには汚れが 目立つので 腐らすのもな、と 貰っておくれ
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ナイロンともポリエステルとも言えぬツインテールの君は偽物
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きみを得た魚なんだよ僕はこの世界でいちばん無敵なんだよ
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