ぶっ壊れてるのはおたくのほうだよ いっぺん死んでみたらいいのに
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腕時計 バンドの穴を 入れ替える 手首が細る 老いを知る吾
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霧雨に傘持ち歩く二人づれ繋いだ手と手離し難くて
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一列で順番待ちの二人づれ肩の糸くずそっと取りたる
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あから曳く朝日ふふめてれるあけびにそを手にとりて笑まむ貴方を見ぬ
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ちいさな家のちいさな庭であなたと植ゑた木通あけび、陽をあつめてつた
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空も海も山もその川もわれをとどめず ひたすら長き道往く
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わたくしと貴方と二人ありて、も一度亡びの過程をいとなむ。
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自転する君の寝顔にキスをして寝相の悪さに瞼を閉じる
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嗚呼いのち、あって喜ぶ事あれば辛酸あれど日々這い上がる
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「災害時備蓄で命が繋げます」皮下ちかに溜まった脂肪アイドルがいる
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突然の雨に濡れてはいないかと六駅先に馳せる愛情
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おだやかになるのはいつも真夜中で眠らぬ時に甘えたりする
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秋陽浴び緑肥ひまわり花盛り使命を知るや幾日後かの
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午後三時突然部屋が暗くなる気付けば外は雷雨降り出し
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学校に行きたくないが除湿機に 澱む週末 月曜がくる
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これは何?なんの匂い?と立ち止まる  ゆっくり嗅ぎなここで待ってる
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望月ととても呼べない月だけど この月がいいこの今がいい
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友曰く「これ以上ない!って時を表す文字」を名に冠す我
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女には等しく愛を注いだが生まれた君は例外のよう
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怖そうな 映画にさそう そうしたら 開始早々かいしそうそう 少しいやそう
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みんなで呑んで帰宅電車遅延で混んでる、どうしよう、でもすわれたよ
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夏の日のあの教室で目が合った 世界中の時間が止まった
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「俺」も「僕」もふた文字もじだけど僕は僕だな短歌だろうとそうでなくても
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ウォシュレット水温上げて冬支度 水勢下げてシルバー支度
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いつかの日あなたがそうでいたように波音続く夢で見た海
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干上がった水田みずたを燻す野焼きの香、目に染む煙よ秋たけなわ/時期が来たので詠い直し
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明日こそ今日より少し楽になれ 日にち薬を願って目を閉じ
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ぴちぴちとはねる油の前のわれ矢を受けたまま死んでいる僧
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公園を闊歩す高齢ウォーカーの真っ赤なシューズに意気込みを見る
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