ガムを二個噛んで始まる自由時間親が選んだクロレッツの青
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死者は去る いちばん遅い電鉄に乗りつつ雲の縁ばかり朱い
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経験が通用しない恋も有りある意味これも事故と思えば
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名前など教える意味は無かったと左の耳の小人ささやく
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雑踏のノイズに波を同期させ僕は密かに鯨と話す
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できあがり 売れる? 売れない? 関係ない 描写と叙情 余白が全て
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横文字の流るる中に縦文字の気持ちを立てる夏の旅かな
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鞄には鉛筆ノウト文庫本てのひらに乗せ一興とする
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空想の生まるるところは雲のうへ小さき人へお喋りつづく
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草臥くたびれしこころに言葉は何もなく密雲の向かふ雨の降るらむ
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たれも知る人なき街の珈琲はほろ苦きあじ甘くなりぬる
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空が描かれてしまったから絵に描いたような空を撮ってしまう
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好きな人の好きな人役、私以外には務まらないでしょう?付き合ってだいぶ経つけど今でも好きでいてくれてる自信が無い
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冗談を噛ませても駄目あくことのない瓶蓋を握る幽霊
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なにもしない こんな状態の果てにいたいが横たわる一人部屋
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仄暗きノイズの溶けた海響に52Hzヘルツのメーデーを聴く
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あなたは雲からさす光 灰の夕暮れ 一緒に帰りたかった
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ぼくのこと嫌いになった瞬間のひきつる顔をもっと見せてよ
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できあがり ウケる? ウケない? 関係ない 音とリズムと語感が全て
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あの森は昼も真っ暗なんだよという声がしたほうに振り向く
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恋人よ 東京の夏は暑いから木綿のハンカチーフください
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昼下がり白レースのハンカチを見つめて思ふ白昼夢かな
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スコールが突然襲う黄昏にこのまま二度と夏が来ないで
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台風がカーブしようがもう知らん所詮貴方は変われぬおとこ
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僕たちは どんな時でも喋りすぎてしまうから さみしくなるのだ
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きんぎょに日本橋まで行く夜はフィッシュテールのスカートにする
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蝉鳴かぬファッションビルのバーゲンは「もっと変われる七日間」とぞ
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目覚めればすぐに聞こえる蟬の声 七日の命惜しまずに鳴け
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我思う 故に我あり それならば 飯食う私は ケモノになるのね
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扇風機 暑さに嫌々 首を振る 俺だけ見ろと 心で思う
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