いつの日かたんぽぽとして咲く日までわた毛の行方見守り続ける
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君の乗る鳥をデッキで見送った 風が無くなるまで手を振った
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船ひとつ マリナ・デル・レイ 潮風がそろそろ君をさらいに来る頃
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飛べもせず屋根から風を見るだけのもう動けない錆びたニワトリ
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高くから僕を見下ろす凧は云う向かいの風で揚がってこいと
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君の住む街へと抜けるこの風と僕は一つになれるだろうか
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一歩二歩あなたの歩くあとからはラピスラズリの蒼の風立つ
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北風に抗いもせず飛ぶ蜘蛛の糸はどこまで落ちずに飛ぶの
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僕は翔ぶ もう黄昏も夕凪も終わる気がするおかからの風
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故郷の山おろす風 夢抱き飛び立つ僕の背中を押して
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卒業の恋人たちの悲しみを知っているのはただ春風だけ
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遠い地の戦争について考える もし僕が風を止められたなら
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究極の選択それは お風呂前 リップを塗るかビールを飲むか>ん?(笑)
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深酒と煙絡まる夜を抜けて短編集を抱きしめ眠る
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三日月のもと嵐電が西に行く冬の空気の闇を通って
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明け方に見失うのは仕方ないあれは夜に似た恋だから
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「来年も宜しくね」と笑む患者さん ほんとは会わぬが一番なれど
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何かくれ猫が言うので湯豆腐のかけらを出せば首振り去りぬ
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「人生は運で決まらない」と言えるようになれるかは運で決まっている
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「今日はマジ最悪の部類」そんな日が週一は来る いや、週ニ来る
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ひとすじの光ともりし道の先 長くやすらぐ道だと良いね
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一年の過ぎるはやさにしみじみと 柚子のかおりの湯気につつまれ
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窓外まどそとに広がる 銀世界ゆきげしきじゃなく それを眺める 君を見ていた
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もういない温玉旨辛ラーメンがわたしの脳に息づいている
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来年も冬に熱海へまいります 夏のつらさを忘れるために
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こんにちはプロフ見てねというのならお前の誠意と中身を見せろ
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私だけ見える七色 麓まで尾を振る君とふたり駆け出す
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短歌とはいづれのかたちももたぬまま うまれたばかりの真珠のやうで
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僕たちは言葉を借りて生きている 消費せずにはいられないのに
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君が死ぬ夢を見たんだ ちょうど今日きっかりこれで百一回目
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