「ていねいな暮らし(笑)」と笑う人たちはどうせ救ってくれるわけない
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この声は小さくたっていい君に愛してるって伝えられれば
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僕だけを見て欲しかった一等星皆のものと分かってたのに
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にぎった手が きみだとわかる こんなにも さっきもちゃんと消毒したのに
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もしかして好きだったのは洋楽を聞く事でなく聴いてる私
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エアコンは口から涎を滴らせ極地の息吐くけだものとなる
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失ったひかりと共に名を変えて月は見えなくなったって月
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りんご飴 もはや縁日では食べぬ ナイフとフォークで切り分けて、秋
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昨日見た映画の評価を聞いてみる 君のレビューは信じてるから
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日に透けるすすきに白く風吹きて水無滝の川ぞ流るる
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りんごには 中身があるか 空なのか さっき電車が通っていった
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寄せては返すカーテンにモビールの音近づいてまた遠ざかる
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よりかかるはちみつを売る店のドアまだ名を知らぬきじとらの猫
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真夜中に期限切れなるどら焼きを昨夜食べたわ 僕、元気です
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調わない自律神経引っ提げて寝床のために這い回る日々
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「秋」というものはいつからいつまでか 今日の日差しに問いかけている
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顔色の悪い女と身をよせる東海道線は二十二時
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籠枕に魅せられたる それ程までの母の年輪
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しみこんだ あまみずがからだを おもくする だってあなたもわたしだから
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ひょうめんに 浮き出るものしか みえないから カラスの羽にさわってはいけない
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自販機は社会の縮図、コーヒーと炭酸水は隣りあえない
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ゆるゆると逃げ続けよう蛞蝓の虹を残して進む速さで
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泣きそうな声音で君が歌うとき メモの言葉は壊れはじめる
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日々に降る言葉ばかりが積もる中動けず眠るだけの休日
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傷ついていないし泣いてなんかない大丈夫僕はひとりで滅ぶ
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福音はいつも遠くて瓦斯灯の明滅にひっそりと金合歓
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新聞をたてに破けば裂けること保育園児も知っていること
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夢に出てきた君とデートをしてた 好きという事実だけが残り
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飼い猫が膝から発ってまた膝に帰ってくるまでの月日が夏
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魂が夕焼けのように澄んでいて その美しさに 救われたんだ
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