適当にドンキの媚薬を飲んでみる そういう元気の出し方もある
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透明な傘の蠢く交差点 細胞たちの行き交う都会
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黒づくめ日傘をさした死神が車のながれ逆らいあるく
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病葉に夏傾いて蜩の声も聞かないまま秋が来る
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目を閉じていつかきっと、きっといつか救われるはずとかなしい祈り
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霜を踏むような音を立て伸びていく僕のからだが氷解していく
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間違っていないと「私」は思えども 身体が罰を求める矛盾
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右足をとっさに避けた働き蟻いつなんどきに息絶えたのか
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中秋の名月気付かずうつむいて見つけたものは小銭と糞だけ
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横着し箸で手繰ったスパゲッティ 唐辛子でむせ独り汗かく
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愛してる、なんて無限の免罪符で私の涙を拭かないでよ
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名月も過ぎて欠けたる今日の月 雲に隠れて涙を降らす
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たいていは「私でなくてもいい」のだが私でなくなることができない
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ぐつぐつと夜中にケーキを焼く音と あなたの孤独だけが愛しい
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最終の特急列車乗り込めば星敷き詰めたような街並み
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爪磨くプリント回す一瞬で君が見惚れる手になる為に
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「最後」って言葉段々増えてきてそろそろ君に伝える準備
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君の名を呼ぶときだけは世界中どの人よりもディーバになれる
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窓開けて入り来しならむたんぽぽの綿毛はしばし老猫と遊ぶ
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ばりばりと落ち葉を踏んで鳴る音は 太陽溜めた夏の断末魔
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いがみ合い 張り合っている 余裕なし 危機が迫れば 全身集中
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金持ちも 貧乏人も 死んでゆく なんて公平 なんて平等
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一目惚れして買ってみたボールペン日記を書くときだけ使おうか
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太陽のような貴方といるときの私はきっと月になってる
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単語帳めくり覚えてまた忘れ日々を重ねる意味はあるのか
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蠍座ピックアップガチャの評価順Eのページで友達になろ
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桃みたく傷んだとこだけれたなら、そうはいかない、まだ過去じゃない
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アルミから一夜限りの四錠が今日も羽化していのちを巣食すく
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花びらの重なるところにひそむ夜 キスはできても嘘はつけない
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触れようと指先のばし憚らる 子の成長とは少し寂しや
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