いち早く新刊本を予約する本は買わずに図書館と決め
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こわもてで白髪なびく老人が通学道路で振る旗やさし
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黒土に湯気立ち上る十勝野へ 歌人時田が歌の種撒く
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玄関に合羽さげたる家あかり くびりしひとかと 驚かれぬる
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ひよっこのカメラマンだが絶賛す 沼にハマった2男きみ の写真に
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「薬ない?」調子悪いと聞いてくる 我が家は長男きみのおかかえ薬局
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水たまり よどむ灯の矮星に 雨の光子フォトンが われさきに逝く
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気が向くとちょっと喋りに来るぐらい 3男むすこなんてさそんなもんだよ
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クロヒカゲつまんで窓から逃がす キミと見上げたい空が広がる/虫の日
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玄関に猫が寝ていて入れない 笑っているきみちょっと助けて
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手渡された古書に残るぬくもり 彼方のいのちに思いを馳せる
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壊れてもいいと思える恋をして壊してしまった私の欠片を
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「君が好き」言うのはカンタンなのに、なぜ君に伝えるのができないかな
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夜の闇ブルーライトの夢の中 うつつを忘れて海に流れる
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ハライドのひかりに眩し jacarandáハカランダ 小二のころの初心うぶなむらさき
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ゆっくりとじっくり本を読み終わり閉じた時点にほぼ忘れだす
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何時間もかけて書いたプロットもふとした閃きに破壊される
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膝痛がとても和らぐお風呂だが浴槽でるとき死の予感が
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新月と満月ゆっくり行き来する あなたとわたしのこころの継ぎ目
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明日から しようと思い 今日になり めんどくさくて また明日かな
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なるほどね 以外の言葉 在庫がなくて ハイボール進む AM2時半
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この世をば 喰してしほうぞ 逢えぬなら あの笑顔すら 灰と消えんも
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ボディーソープに見出したパールを爪へとのせるマニキュア気分で
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汚れてる?君はティッシュで拭くけれどそれはばあばのシミなんですよ
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マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ だけを歌う 三時の上司
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立ち止まり振り向きつつも前を見る 君に似合いしブルートパーズ
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モンゴルの人が海見ず死ぬのならぼくは何見て見ずに死ぬんだ
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ピンヒール今は昔の勝負靴 現在いまはしっかりスニーカーで「イザ」
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初デート サイゼがいいね あなたなら メニューの推しも 聞きたいからさ
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何だろと思いつ眺むハンガーに寄生している様々なにか
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