働いて頑張り過ぎて障がい者それで保護だよ怠けてないよ
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夜に掛かる枕詞のぬばたまは檜扇の実と知る冬の朝
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玄関の 扉を開けて 待つ人の もとへと急ぐ ラーフラの枷
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僕んちにサンタさんなぜ来ないのと親を困らす悪魔の子供
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声掛ける 友は答える 「忙しい」 九割九分 バイトか車校
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触れ合った指先も交わした言葉もいつかは溶ける夢のひととき
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世界一まずしい首相あらわれや れきしに光る 予言者のいう
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かたくなに神のみちびきことわるも すさぶこころに聖歌のしみる
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買えば済むそんな玩具ヤツなら良かったなぁ仕込み大変工作の夜
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時間ごときっちり並んだスケジュール 木っ端微塵にしたミサイルよ
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忙殺を想定していた今日の日に 想定外の薔薇の花束
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じっとして黙っていたい時もある 座った床の温みと共に
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三人の高齢家族なりたれば 話題は昭和のあるある話
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引き出しにしまったはずのあの日には 海の波音夕陽の匂い
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旧道や蔦に埋もれる待合所旗振る見送りそして通知
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静けさが私を包んでくれるならお礼にあげよう涙のダイヤ
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嫌いなのはあなたではない 僕のくせ僕の性格僕の鼻
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休日に 片付け仕事持ち帰る やる気起きずに ネットで遊ぶ
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ヤフー天気 今夜日の入りはモミの木で 明日の日の出からツリーの絵になり
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真夜中に手から滑って落ちてった コップとミルクふと切れる糸
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冬花火 月にすわって見下ろして僕とあなたで雪を降らそう
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息子キミの笑顔を見るたびに貴方あなたを忘れないとと思ってしまう
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これからは愛だけのために生きるのでねこを抱きしめたくさん寝ます
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かいがらを透明な水がさらってゆく砂に埋もれてそれからまたね/熱海
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五七五七七全部「あ」で埋めていいよあなたの言葉なのなら
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完璧な私でなくていいんだと あなたの隣りにいられることで
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流体となりゆく文字のひとつぶの銀色の砂がことばになった
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パインアメわかっていつつ吹いてみる愚かしさごと愛してほしい
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くだものをすみにあつめて寄せてゆくきみのとなりで洋梨を剥く
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夏空のもゆる江ノ島電鉄と赤い水面とスパイスカレー
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