兆民の『一年有半』を酷評せし子規なり同時期に『墨汁一滴』を著す
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兆民の『一年有半』を酷評せし子規の心に嫉妬あらずや
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拗れてる言葉をこねてまた壊し大傑作を詠む夢の中
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捨てられぬ紙袋達が夜に見る ホールケーキとセーターの夢
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山奥のカーブミラーの寂しさに ただ寄り添える電信柱よ
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私には青春時代 あったような なかったような これからのような
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将来の夢もないからここでずっと 黒板消しの掃除がしたい
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良き人に自分の過失ゆるされて、それを私はゆるせずにいて、
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手の届かない場所は別にお前に 意地悪してる訳じゃないんだ
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君と僕通じあってるとは思わないただ信じあってはいたいと思う
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削った鉛筆で指を突いてみる 復讐のように猫を飼うこと
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あの人は地獄に落ちると聞いてから とても悲しい 助けねえけど
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言の葉のとげすらいとし君のもと 柔手やわてににじむくれなゐ落ゆる
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眠れぬ夜 もてあまし徒然に詠む 歌方の君と語りたし眠れない夜は思うままに詠む歌でutakataにいる皆さんと語り合いたいものです
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とっておきの魔法 まぶたに乗せる星屑ラメ あなたの頬にうつる きらきら
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マフラーで隠せぬ場所の愛のあと きみは気づいていないようだけど
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年の瀬の予定をきみと過ごすのか それともひとりぬる燗飲むか
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なにげなく詣でた神社に屋台あり こんがり焼かれたベイクドモチョチョ
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ひとりでも寂しくないのはおかしいの?わたしなんともないのですけど……。/恋とは?
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きっとうまくいく気がした雨の午後 信じて進む泥濘さえも
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遠い昔母のひみつの隠し味 お砂糖スパイス素敵ななにか
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まっしろなアイスの上にちりばめた色とりどりのカラースプレー
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お布団に残してくれた温もりに ひとり今夜も抱かれて眠る
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食いしばる歯茎から血が湧き出てる海になろうか花になろうか
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抱きしめてほしいと願う抱きしめてもらえる目処は立ちそうにない
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砂漠など陳腐な比喩だ鮮やかな極彩色の中でうずくまる
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会いたいと思うのはあなたの自由、思わないのはわたしの自由
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まあ顔は情報の塊だけど、そんなに欲しい情報じゃない
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頑張ってるよ強くなるよと声に出す偉かったねといつか言ってね
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目をとじて風が吹くのをやり過ごす自分で自分の肩をかき抱く
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