神様が 全てじゃないと おっしゃった 明日が見えずとも 我は行かん
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方言をまねれば仲間になれるはず信じて朝にYouTube見る
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にせものの小春日和のコスモスを秋の桜と書く魔法つかい
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歯ブラシをくわえてひとり うずくまる わたし以外が 真っ当である
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人間の皮をかぶった人間が皮を脱ごうとして消え失せた
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ハンドル握り美しい空を悔やむ 明日にはどうせ忘れるくせに
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左から夕陽の差して僕ひとり渡り廊下で聴く吹奏楽
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試験終え普段通りの午後が来るまだ脳みそに残る公式
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我が犬を揶揄うカラス今日も来て上から目線三羽で笑う
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しかれども我が愛するを君はただ幼児のように踏み躙りけり
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教室のカーテンの中で窓の外眺めてるときが落ち着く時間
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布団に棲む一億程の生き物のゆめの上で見る私の夢であるらしい
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「あの雲さ、うんこみたいだよな」白いんだからソフトクリームと言え
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そしてまた飛行機は飛ぶ夜の深さに比例する
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近未来そらの高さが窺える寄り道せずに今日は帰ろう
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ものぼけに徹してみよう最上川にこにこまーくは星の互換に
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膨大でちんぷんかんぷん要するにあたしはとてもかわいいんだね
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全部いいほんとにぜんぶいい感じあなたをあなたたらしめるもの
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優越をつけるならば君は私のタンパク質で水は猫だよ
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道端で迷子になった名刺にもそこはかとない肩書きがある
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価値という無形のものを追いながらこんなに形が増えてしまった
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ちょうどいい田舎ちょうどいい暮らし ちょうどよくない十六の秋
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かわいいというさえずりは存在の証明だからあなたを許す
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公転の速度を少しだけ超えて届く手紙の明日までが夏
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たちこめる雲にかざして読むために晴れの私は作れよ詩集
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渡された恋を選んで 離す手に 涙を落とすわがままな秋
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機種変で 役目を終えた ガラケ-は 引き出しの中で 永眠ア-メン
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眠れずに ベランダで見る 夜空には 冬のオリオン 秋は深まる
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靴擦れの痛みに今日は囚われて ずるずる崩れていく14
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終点の駅にまいにち帰るのではぐれもの達も日常となる
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