あきの波 返らぬことぞ 知りにけり 我唯ひとり まつと思へば
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前髪が伸びすぎた時の髪型を ドラマ見て決める 切ったばかりだが
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12時に帰りそこねたシンデレラ 魔法が解けて馬車はカボチャに>ハロウィンならOK?
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「月魄は夜帳とばりを穿つ孔」と云う幼児おさなごの背に蝙蝠murcielago
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包むことそれは案外むつかしい きつく縛ると中身逃げてく
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ペダルぎ空を見上げる一面に うろこ雲あり風きとおり
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突然の終わりはいつも突然と知りつつ惑う 熱、夏と逝く
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俺にだけ雨が降るとかそんなのは錯覚だよな 晩夏と叙情
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肌寒の雨を去らせた爽やかな風が通りて秋満ちる部屋
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緊張をほぐさんと明るくおどけ 帰りてぐったりソファに倒る
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就活の「ガクチカ」ひとつも出てこない 大学生活 虚無だったのか?
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一日に 街へゆくバス 三度あり 徒歩でも行けるがバスに乗りたい
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真夜中に 窓を開ければ ひんやりと 冬が顔出す金沢の秋
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アラビアンナイトに 出てきそうな月が 私の心を甘くする
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西の空の儚い三日月から シェヘラザーデの調べが聴こえる
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夜の布団 寒い暑い 熱いサムい
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他人から 向けられる愛情が 怖い
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小雨降られ ちょっと悲しき秋散歩 晴れ女率は年々下がり
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秋散歩 少々涼しくなりました 散歩に出ること あまり無いけど
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異形の貴女を愛すと嘯いて裂ける舌先 僕は蛇に成る
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日常に 少しの噓を 散りばめて 繋ぐ言の葉 紡ぐこの歌
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中一ちゅういちの十月十日の青空は1964いちきゅうろくよん東京五輪
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詠み流しすべては過去のものなれど今のきみとあるのならうれし
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詠みしうた短冊かけに飾らんと 材を探しに山に分け入る
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いち 拾と続けし歌会百かぞへ 千まどふ万葉のこころ 
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とちうばい せまいところに︵琵琶湖の半分に二百万人︶ おしこめて すいどうでんき こわして関所︵壁と検問所︶ /ガザ地区
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特異日も「体育の日」の名をおろし役目すんだと曖昧あいまいな空
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庄内に地吹雪すさぶ寒の味 身体に沁みるどんがら汁は(寒鱈汁 )
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熱いココア 冷雨のけぶるロープウェイ 山頂は見えずともこれでよい
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干からびた蝉の抜け殻葉においてしぼむ朝顔木犀かおる
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