玄関を開けるといつも君は手に どうして虫を持っているのか
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頬つたう 涙で夢から 冷める朝 亡き祖父に会う 姿元気で
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ながし髪ゆひして妹がつくりけむおさげ髪しく朱牡丹の咲く
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あかねさす紫繻子ぱあぷるさてんにくるまりて王女の真似をす吾子、父は馬車
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へいへいと時は過ぎぬるわが家に平安くづすごと郵便来ぬ
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乳当てのすこし小さくなりぬてふ父には云はず母には云へり
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吾子あこふたりいひつけりぬ室内で衣服たためり平安おだやかな春
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わが妻と吾子あこらがわれの健康を思ひやりして酒を呑ませず
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丹頬につらをとめがまろき乳さらし乳当て干せるやをら春の日
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ポケットに 冷えた指先 くぐらせて 温もり嬉し 明日は立冬
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本日のお勝手仕事をやり終えてへたりと座るああやれやれだ
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SNSこだましてゆく声たちよ 人それぞれのくらがりのうち
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橋姫の霜を片敷く狭筵さむしろいたくな吹きそ宇治の川風
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いつの間に冬は来ぬらむひとりるわが衣手に霜ぞ置きにける
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皿の上に小さなシミがあるんだがよくよく見ればそれは血だった
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降り掛かる 淡き紅葉もみじに 秋時雨 山麓しずかに 色深まり
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君の夢出てくる僕は僕じゃない僕に妬いてじたばたじたばた
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君の趣味その輪郭をなぞってもおおきなはなまるはもらえぬ
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マーキング、心のちゃぶ台返し紡ぐはいいよの3文字だけ
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きみとキスする夢を見た川の音こいでもキジバトは鳴かない
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老いは枯れなって初めて嘘と知る 日々の暮らしは物欲に満つ
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けふ何か「生まれてはじめて」あるかしら子から聞かれて考えており
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陽光が輝き増せば影は濃くトライアウトの冬がはじまる
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ラムネ菓子酒のツマミにならなくて子から貰つた菓子は車中で
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予報では夏日もありと言うけれど 豪州のようクリスマスの音
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朝ドラがどんな評価かドラ受けを 観ようとしても三者は居ない
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肌寒い 朝は我がも 根負けし 抱っこされおる ぬくもりをシェア
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湯あみのち欄干バルコン出でし娘子をとめごよ夜に浮かぶるけだもの、白き
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その日の夜 発した言葉 考えて 「温めますか?」の 返事だけだな
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おかあちゃん はやおき早起きさんだね どこいくの ちま猫ちゃんも つれていってね(じー)
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