点と線だけで描ける恋模様本当はもっと笑いたいのに
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「人生」をやってはいても「人生」のために生きたいとは思えない
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翼する役目を終えて銀色の表紙を畳むペーパーバック
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一日はまた排水口に落ちていく 捻った覚えのない蛇口から
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ニンニクが広がっていく昼休み不織布マスク内側の悲劇
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異世界に転生しない人たちの魔法が今日も世界を変える
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夜深し持て余すほど自意識の発酵文字できみ焼くパン屋
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春星やいつの日かこの毒杯に乾杯という波をおしえて
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まだきみに春を教えてあげたくて萎えた林檎を前歯で齧る
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エコバッグの持ち手が裂けた この世には永遠なんてものは無かった
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洗顔の泡立てネットに立つ泡に洗われていく昨日の私
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夜明け前秋雨の終わり窓を打つ始まりはある心は放つ
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明日の雨出来れば私に降り注ぎそのまま溶かして消してくれぬか
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見つめてるブルーライトのその先に知らないおまえの輪郭浮かべて
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酒よりも風邪薬飲んで酩酊し出来ればすべて忘れてしまおう
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ひかりたつ動物園の外側のホモ・サピエンスのエリアで暮らす
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駅前のゲロを跨いで私たちこれからずっと森で暮らすの
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秋の夜を僕だけのため使いきる鳴くか鳴かぬかスマホ眺めて
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棒人間好きなんだよな人がみなこんなふうならよかったのにな
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イヤホンが壊れて聞こえぬ左側 君の声まで奪われたようで
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こんな日はVANの袋とブックベルト 金木犀の香る青空
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ないものはどうでもよかった 未来とか、可能性とか、生きる意味とか
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長靴が持ち主捨ててアスファルト寂しそうやら気楽そうやら
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この歌を君が好きだと聞いたからLINEのBGMにしとくね
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雨の日の思案 嫌なことをするのは本当にためになるのかな
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さんざめく月の光も甘やかにルソーの夢に見られ紅塗る
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風呂の中の扇風機 熱きゆでだこの 顔を乾かしている
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町を出る あの日写真に焼き付けた 山の青さが今は痛くて
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悩み事マジックテープで被せたら跡は残るが言葉は消えた
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電話だけ動画だけの二年間君の匂いは君の温度は
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