君と月と木星の距離を愛と定義せよ (ただし見かけとする)
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明日は我が身そんな言葉がありました。我が身は明日にあったらいいな
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我々の日常としてわたくしを人目につかない場所で泣かせる
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水曜を胸を躍らせ待っている ちょっと安めに映画を観たい
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リモコンは元の所に置いといて君との日々も元に戻して
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ねれないしおきているのもつらいのになにもできないもうぜんぶだめ
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スーパーは 休む間もなく 早着替え キラキラ無くし 和のテイストに
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喧騒を丸ごと呑んで即席の安寧を作り出し給え 雪
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探してる海の真中に燃え落ちた星のかけらで手を切らぬよう
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千年後、電子の海が枯れてても。なっていたいよ、詠み人知らず
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焼きたてのパンの香りのする猫は今日も隣で寝息を立てる
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押し並べて議員センセイ口硬く検察相手に足並み揃う
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今は亡き歌人遺した滑走路 時代があなたに追いついたのだ
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そういえば うちも今年は冷凍ケーキ テリーヌだから崩れる余地無し>密封だし
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静寂と夜が醸した C6H6O3マルトール 司書に礼して 図書館を去り
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ねえ今年、忘年会は?と聞きづらい 夫キミは体調良くはなさそう
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学校へ導くように現れた白い轍の今は作り手
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襟元で気付けなかった掛け違い 二人を留めるボタンをはずす
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楽しげに未来を語る君の前 答えに詰まる僕が嫌いだ
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悪者になるため僕は嘘をつく「あなたのことがもう嫌い」だと
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ヒイラギの花が咲く頃あなたとの別れまでもを忘れるつもり
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分かってる降りそびれたね君と僕 乗り過ごしてるあの日の夜から
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浅縹あさはなだ起きた貴方へ背を向ける 僕らは見えない明けの明星
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またいつか会える日までの拠り所 手紙を一通僕にください
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だまり合う二人の間気兼ねして湯気を立てずにいるホットティー
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この電話切ったら君と私とは ただの第三者になるんだね
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今日はまだ君への心隠せない滲んだ君の影が出ていく
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『鬱の本』購入手続きめんどくて鬱な私は買えないでいる
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言の葉が星屑のよう降りそそぐ 布団に入り目を閉じた瞬間とき
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あの日から貴方あなたの背中追いかけて 手を伸ばしてもはる彼方かなた
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