するすると必然性のすべり台下りたらきみにいてほしい、です
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君に入っていた中指もう立てることは無いだろ平和の証
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わかってた そこまで馬鹿じゃなかったよ 愛せなかった 達磨だった君
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足もとの土がふつふつふるえている季節が変わる気配がふくらむ
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傾いた暖簾を破く瞬間に 砕けたそれは心だよ、多分
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おさなごの柔肌みたいな新緑をいっぱい吸いこむわたしのおめめ
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SOS モールス信号 後足あとあしで 送りはじめる 白い兎は
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もし僕が明日命を落としても この絵葉書は君にあげたい
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あの日から君に歌って欲しい歌が 僕のなかから消えてしまった
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桜咲き風のゆくまま散りぬけぬ乙女の瞳の中の風景
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「人間は動物だから」と大発見のように語られて、だから何
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二人分昼の光を遮って 「思ってたより風が強いね」
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自販機でミルク多めのこの春も平年並みのさみしさでしょう
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ぼくたちの涙は空に消えてゆきおそらく虹の養分になる
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紙の上で夜は明けてゆき頁を押さえる指までも照らし出される
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拳大に固めて叩きつけたならこれが怒りとわかるだろうか
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からっぽの壜にちいさな象がいてその背中から落ちかけている地図
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磔にされた男をイラクサの怒りの棘ごと火焙りにする
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青年の羽よりも薄き胸からシャボンが涙のようにこぼれる
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大きな手に潰されているような夜がきて楕円の闇が広がってゆく
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寝転んで例えば地球が回っているそのスピードを背中で感じる
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溺死してたむけられてる花になるくらいだったら泥になりたい
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きみはうつくしいひとです、どこまでも ただどこまでも きれいなひとです
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無力さと モチベーションの 低さ故 頑張ったとして 社会の底辺
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見つかった そんな時には 遅かった もっとはやく 来てくればよかったのに
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以外にも 自分の近くに あるのかも そんなことも 知らずに生きる
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地を這って 光るものが なんなのか 探して磨いて またまた探して
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ほとばしる 虫酸と酸味と 苦しみが 明日も来るさと 自分で笑う
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夜にしか詠えない私 すずむしに 勝手に親近感持ってたり
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地下軌道 定時運行 鉄の箱 未だ醒めきらぬ人体からだを運ぶ
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