その味がよくないねともいってくれないあなた記念日
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ハッキリと嫌と言えない毎日を抜け出したくてお守りを買う
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リモコンに「ピッ」とアテレコする君のそんなところを大事にしたい
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こいのぼり・あやめ・藤棚 一つずつ お茶に合わせた上生菓子
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花びらを散らす嵐は向かい風 初めて君の立ち漕ぎを見た
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初めての母のいない誕生日 葉桜の墓前にただ手を合わす
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肉欲に 屈する者は 人生を 彷徨うただの 野良犬のよう
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理想とは 人を気高く 築きあげ 神の種族と 呼ばれる理由
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人ならば 気高き思い 宿すもの 欲に塗れて 天を望まず
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肉体が 欲するままに 生きていて 虚しさ知らぬ 人は獣
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YouTube止まり画面の暗さにて銀歯光らすわれの顔あり
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人生を 虚しい風に 流されて 彷徨う人は まことに多い
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永遠に 続く幸い 求めても 地の上になく 天を仰ぎて
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ひと時の 快楽のため 永遠の 幸いさえも 台無しにする
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幸いを 望むばかりに 苦難避け ぬくぬくとして 未来開けず
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罪ならば うまくいかない ようになれ そうでなければ 天が導く
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病ゆえ 心が暗く ならぬよう 生きてることに 感謝忘れず
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そのうちにみんな死ぬのに待てなくて殺してしまうのである人は
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家主なき ポストに溢る紙面から 麦秋しらす 空暇乞い
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覚えたての絵画に見立て君を口説く 煌めく瞳はフェルなんとかさ
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いつの日か夜に喰われた6等星でさえ満たない僕を見つけて
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透きとおる夜に雨雲レーダーがきみのほんとの涙とらえた・
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(死にたい)の 裏にあるのは 退屈と動き出せない自己嫌悪
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春雨のやさしい牢に囚われてより鮮やかだ本の景色は
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横道に逸れた話は広がっていつしか波紋だらけの水面
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待ち人に手を振るように柔らかく橋に結ばれているストール
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「怖い世の中でございます」すれ違う 黒猫 (囁き) 挨拶を交わす
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忘れないでいてくださいと泣くきみの 笑顔をもう思い出せない
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だんだんと自分の価値が暗闇に溶けて消え行く膨大な夜
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春四月雀が挙げる五羽の子に包含されている死亡率
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