突然に出来なくなったこの哀れ取り戻したく一から鍛錬
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年上の フリーレンお姉さんでもいいからさ 頑張るオヤジ なでなで誉めて
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母さんと三百五十一缶を分かつ晩酌月に数日
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どうやたって かなわないやつって いるよね その才能に触れただけで 僕は幸せだったのかもしれない
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火は燃えるあなたのことばを種にして(きれいな頬をあかるくみせた)
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ふた橋の虹が空にかかったら 奇跡があると信じていられる
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きらめきはいつもあなたのそばにいてひとりじゃないよと抱きしめている
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群青の湯呑 琥珀のウィスキー 白銀の月 溶かせいざ酔え
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三尺半 片鼻たらして 駆けている 風の子手に持つ 松ぼっくり
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苦しいと言葉にしてはクリオネが天使のままでいられない朝
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生けるため切り取っていく花々の息吹に触れてやや息を呑む
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誰でもいい 薫る煙と屍の朱赤辿って追いかけにきて
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近頃は エックスなんぞと 呼びはじめ ポストじゃないぜなまゑかへるな ツイートなんだよゐひろんの歩危
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高松に集いしハヤテ各々の誇りを胸に駆け抜けていく
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近所の書店が なくなった 君との偶然は もう無いみたい
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手に届く範囲の石をかき集め城には遠い城には遠い
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レモンパイ  アールグレイに オムライス 今日も誘惑負けています
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白と茶の 二層の幸福 うっとりと ストローかき混ぜ 氷を鳴らす
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共感し うなずき笑いそして泣く 短歌うた詠む友よ 今日も感謝だ
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テレビごしわたしに勇気をくれたひと 努力はあなたの姿をしてる
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はしりだす 春一番を味方につけて きらめきひとつでおおきくジャンプ
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あの春の君との思い出があるから 僕の世界はきらめいている
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彼岸会の父母の姿を求めつつ手向ける香と姉の牡丹餅
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十二年振りに一致のカレンダー毎月めくるめくるめく日々
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涙を 見せるわけには いかないのに 耐えられないから 僕は肩で泣く
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思いを 蒸し返すように 30日後 月は再び 「只今!」と言う
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トンネルの 先が見えずに 泣いていた 遠いあの日を 春風揺らす
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解ってない 僕が震えて いる理由わけを 君はたぶん 解っていない
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早春の 嵐が胸に 隙間風 愁いの炎に 酸素を送る
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泡沫の 世と露知らず 涙落つ のぼる朝日に 背く朝顔
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