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病院に 二人で出かけ 久々の デートみたいや ありえん話
4
火曜日は 緑内障の 外来日 爺婆の 夢の競演
3
真実を 食らいて骨や 肉となり 夢を食らいて 亡霊となる
3
夢を見る また目が覚めて 繰り返し 死んで行くまで また繰り返し
3
甘い夢 消えてなくなり また元の 苦き現実 吹きすさぶ風
6
少年の聖歌とともに流したい娑婆の漂流いざさようなら
12
スーパーの見切り品棚チェックして面白き材さがすは楽し
17
見切り棚からみ大根百円で ぬかに漬けたらからみ凄まり
17
冷蔵庫半年ついに手付かずの 冷やし中華が気になっている
11
目を開き枕元には体温計 そこにいるべき君は今どこ
6
思考、感情、「私」らしさを詰め込んで でも全部消してただ箱になる
8
春や来い、眠気誘いし冬晴れの今日は旧暦大晦日にて
17
我こそが主人公だと生きてきた だからかエンドロールが短い
10
誰もいない荒野に咲いた一輪の花が全長九〇メートル
6
ぶつかって悔しくって滲む視界でもそうやって私強くなる
11
ポトフだけど 豆腐入れちゃろ 和風だし 温奴なぞを食べたい気分
21
風寒く 遠い
彼
(
か
)
の夏 彼の娘 消えず沈まず 彷徨う記憶
16
恋人の家のベランダにもみじが一枚 洗濯物を畳む
6
気が急いて仕損じ修正繰り返すタイパは乱れさらに気は急く
15
かーてんにくるまり ちま猫 ねんねする さむくなってきた おみみがひえちゃう
14
孫からの初めて手紙届きおり葉書を買いに冬晴れを行く
21
暗号の様な字で書く紹介状 受け取る医者は
解読
(
よ
)
めるんだろうか…
28
寂寞に地平線までおほはれてサナトリウムのくれてゆく夏
10
憂鬱と爽やかな日の繰り返しこれが普通の暮らしのリズム
18
繰返す 韋編三絶 道を征く 挑み結ぶは 或る日の想い
9
かさならぬ音に気づいて石畳なき
途
(
みち
)
こそが子らの遊び場
5
縁側にパンク・ロッカーたちさわぐような秋さえ遠ざかる夜
6
吾に声 掛けし笑顔の 看護師は 「十五の春」の 面影残せり
13
それを見て かわいそうだと思うなら 私たちは一緒になるべきだ
7
「畳だと一杯ひっかけたくなるな」隣の席の爺がつぶやく
11
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