雨だから「梟の城」読み返す 久しぶりだな!葛籠重蔵つづらじゅうぞう
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そういえばこの封筒で送っても受け取る人はいないのだった
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前世での記憶がないから来世でも今世の経験生かせないのね
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見るからは かくてをりしも過ぎがてに 初音はつねきかせよなれほととぎす
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さざなみの波の寄せくるみぎわち 水平線にきみの面影(折り句)
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夏山の川の緑に袖ぢてむすべば乱る底の白雲
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薔薇たちはただ美しく魅せるのみ 季節外れの灼熱の中
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清廉な 君の瞳に 映りたい できれば海馬で 漂っていたい
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口癖は「そういうことじゃないんだよ」みんなの中にいるから若い
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除草剤手にする吾をひるませり ひとすぢ立てる雨まつスギナ
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こぞの秋二つ実のなるいちじくの 葉茂り立つ実るゆめ乗せ
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フィルムカメラに拘る古希の口癖は写真は紙で残したい今
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雨が降ると知ってはいるがおまつりにいきたいここで踊りたいから
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雪解けの水は大河へとうとうと 夏色浅し白きアルプス
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こつこつの野球貫き一点は苦闘続いた昨日があって
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被爆ピアノと対話しながらポジティブな音色は明子さんに思いを
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水田に月の面影いただいて今年初めて短パンをはく
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思ってるだけでは何も変わらない あしぬけするぞ覚悟を決めろ
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ほめられて咲きほこる花にあやかりて子宮がん検診予約枠をふやす
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寝そびれて 麦茶飲みに起き ふと見ると ちま猫 窓辺で夜明けをみてた
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書いてみた「やるべきこと」は 七つあり 「どうでもいいこと」先にやってる
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洗濯を干して見る空好きになり 気づく小さな吾の感性に
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校門の通過時刻がスマホへと 孫は遠くに今日も生きてる
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「昼 床屋 夜は飲み屋で働く」と 同窓会の友の言う(今年古稀)
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補助輪を外して少女風になり 赤いヘルメの小さくなりぬ
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劇場の中で流れる旋律は役者に何も聞こえていない
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未来過去今この時を呪う日も「知ったことか」と昇る太陽
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チューハイでも飲んでゆっくり寝ようかと 午前3時の静けさなりや
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二回目が存在しない賞レースを逃したヤツらのためのレース
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夜の星 何も見えないから僕は妄想の歌を詠んだりしない
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