Utakata
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白球を空穿つほど打ち抜けば白嶺の富士黄砂に霞む
12
烏瓜花開くのは夏盛りその頃にはもうこの地にも慣れ
6
いみじくもやりこなしたる大舞台勘三郎の隈取り映える
4
春雷の下で雨粒浴びながら手拭い探すポケットの中
6
身綺麗な娘に惹かれたのは遠き日か孤独な老いを虚しく過ごす
2
春雷のとどろき聞こえ床の中のたりのたりと寝返りをうつ
8
米一つ育てる手間は同じでも腹に入らぬこの値段では
4
ストーブを付けよか迷う夜のしじま一人気ままにUtakataの時
18
生き様が正直だった母親を思い出しつつ自棄酒浴びる
3
誑
(
タブラ
)
かすのが当然の世の中に信じられるか我とはいえど
2
跳び箱を跳べぬと泣きべそかく娘運動音痴の父を恨めよ
7
これ以上我慢はできず恋愛のフリをするのは貴方となんて
1
異国にて誰にも知られぬ花を見て誰にも書けぬ詩を書いており
6
カマキリの子らわらわらと溢れ出て草むらの中四方へと散る
4
どんな日も君に会えば晴れ渡る 気まぐれ桜が濡れても散っても
12
真っ直ぐにただ真っ直ぐに生きてゆくそれだけでもう素晴らしきこと
8
里芋の畝作りには暑すぎたそんな三月二十六日
10
キミの嫁夢見た若き日ノートには キミの苗字と私の名前
19
ドーナツよ淋しくないかポッカリと まあるい穴があいているのに
23
甘辛のタレが絡まる肉巻きは陶器の皿で熱く輝き
6
忙しくネタは数多にあるものを心が疲れて
短歌
(
うた
)
は浮かばぬ
21
菜の花の黄色い波を道として歩きほほえむ恵みの春よ
13
道徳に背く事ほど好む
人間
(
ひと
)
これが性かと不信極まる
7
僕の背中を追った君は どこにいったのだろうか
3
雲を割る斜陽を浴びて濛々と雲を目指すはいつかの言の葉
7
太ってた頃より思う痩せたいは 想いでしょうか病気でしょうか
6
夜の公園のベンチに一人
吾
(
われ
)
その横に猫 きみもひとりか
19
もう二度と目覚めたくない きみがいる世界の時間をすすめたくない
4
チクられた
10
万円のお小遣い 高いと妬むか ははんと笑うか
11
花隧道くぐればそこは過去の俺 戻ればここは今の私か
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