加藤茶を「ぺ」の一文字で表記する 友のノートのドリフのコント
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ストーブの手離せぬ日の続きたり 五月半ばの暦でありて
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ギボウシの薄い緑の葉を濡らし雨は降る降る天高くより
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留守の間にミントとドクダミはびこって 絶望を知る小さな庭に
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こまやかな米粒ほどの花つけて 小さき笑顔ツゲに蜂舞う
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初めての散歩はパパと湘南の 波と砂浜よちよちと(一歳の孫)
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窓開けし 始発電車の踏切音聞こゆる朝や 夏近づきぬ
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くろ雲がしろ雲にいじめられたらし午後から涙雨の模様で
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あと何回里帰りができるかな 雨音はいや 淋しくなるから
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もう少し話をすれば良かったな いつも後悔実家去る朝
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雨音と寒さで早々目が覚める ズレてた毛布すっぽりかぶ
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窓開けて深呼吸すると出し汁と卵のにおい空にヒビあり
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初夏の陽が「早くこいよ」と呼びかける僕は毛布に溶けているのに
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青々とした黎明も朝疎み顔を曇らせ涙を堪える
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とりあへず電子カルテにログインし仮想患者で〈SOAP〉を試す
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メジロヒヨドリ桜が好きで春になる今日脱サラヘ銀行辞めて
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大丈夫とぼけたふりして蓋をして隠したナイフでじゃがいもを剥く
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考さんに妣さんになり妹と初恋の娘のようにこれから
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看護婦さんは優しくてもう慣れたのに明日退院の嬉しいになり
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古希がまた初恋をする五月晴れ彼と再会少女になって
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アーカイブ寝ても醒めても見返して、夢ではないと脳に刻んで
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ALSの女房知的障害の息子逃げたい夜は句ヘ歌ヘ
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妹の付き添い手術その前に話ができた初恋のよう
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連勝のカープビールが美味いのはボツにならない「X」の数
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夜眠ることの幸福いつだって安全な方は何気ない方で
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長袖に 半袖シャツや ジャンパーも 帰宅時間が 服装決める
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ねむくなり ちま猫ちゃんは ぬくくなり ねこ母あんよを抱いて夢の中
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嗚呼今宵 初に御目見 手を伸ばす ついに買えたぜ 大人気パン
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読了す もたれたい肩ないけれど 隣にキミの息遣い ふと/『La Vie en Rose』
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そしたらさ、どおする?」まずは有人島じゃ聞けないことを君に聞きたい
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