アボガドは好きじゃないって言ったよね部下の女とシュリンプ・サンド
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恒例の恩師と母校訪ねる日 外套を着て正門で待つ
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生物学は進歩し四十五分前に全員死にました
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君にだけ話せる夜があることを知らないままのふたりでいたい
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何度も何度も不安定な夜を何度も何度も乗り越えて来たんだ何度も何度も
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こんな子がいたらいじめたくなるよね、と自己客観視などしてる気でいた。
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追い風こそ悪辣に吹け flex bg-夜爪-ハイポニキウム
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自分だけ今日も帰りは遅いけど 残業するだけ見える星増える
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細やかに 言葉を紡いで、届けてよ。くるまり眠れるぬくもりがほしいの
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ららるらら言葉はときに棘だからるらるららりら瑠璃の花束
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動きやすい服でスウェットを禁じられ困る人間の怠惰さが好き
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白い頬赤らめながら目を伏せる君の秘密の声が聞きたい
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悲しみの隠喩のような雨が降る 嬉しかろうと 寂しかろうと
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混凝土コンクリの透視図法のビルの間で 凍える真冬 零下 東京
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彼の名を刻んだリップよりぬるくかさつく皮膚が触れ合っている
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式場で歴ゼロ年の名を呼ばれ、役所でやっと実感がわく
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冬眠ができぬ代わりに皮下脂肪蓄えようか コンビニに寄る
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19になった私に「素数だね」理系の君はノート片手に
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愛してるの嘘はまだ残ってるのに深夜0時の魔法はとけて
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必要な買い物わすれ今晩はスパゲッティにメニュー変更
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3歳で金と女のよさを知る君は生粋のマフィアだった
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酸性雨//きみの返事を待っている ペットボトルのキャップが青い
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微分はね 積分の逆と 言うけれど 消える数字は 積分定数
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なんとなく伸ばしてた髪結ぼうと挑戦するが身の程を知る
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自分の中身ってきもいへろへろで心細いし酸っぱくてやだ
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息を吐く不定形のいきものになりたいたくさんの耐えがたい朝
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眠りによりちぎれた私の端を探す こうして少しずつずれていく
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遠景に見える鉄塔 不如帰ほととぎす 故郷の風は今日も冷えるか
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「この味がいいね」と君は言ったけど 別れた君だ 今日も平日
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風邪薬の苦さと慰められた時の気まずさの味は きっと似ている
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