この痛みを抱えて生きてくくらいなら いっそこの場でしねたらいいのに
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ワガママの方向性が分からない そんなに飲みたい?水道水を
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日の丸をつけるメンバー胸躍る 顔と名前がこちらは一致
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雲間から光り射し込み音もせず鳶がゆっくり旋回をする
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手を握るそれも営み降る雪もいずれは融けて海へと帰る
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半分に開けられているドアがあり開けるか閉めるか考えている
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白球が何処へと飛んでいくのかは神様だって分かりはしない
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精魂を込めてあなたが縫い上げた真冬を一つ心にしまう
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大至急帰りたい気持ち揺るがした  はっきり見える雪の結晶
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きまぐれな完璧主義がまたぼくのねむりのはじまりを邪魔している
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1秒に1回点滅する線と睨み合っては和解する日々
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君に抱かれるだけ抱かれ からっぽを抱えた朝の池袋駅
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後ろ髪引かれる君は「さよなら」と玄関を出る 痛快な雨
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空だけが見える踊り場の高窓  上り階段は空中都市
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目隠しをされててもうどん出汁の濃さでここがモロッコじゃないと分かる
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生きているあかしとしての放熱に触れたき夜の静かな鼓動
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いつだってリセットできるほど軽いスマホ一つで繋がる絆
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もう二度と君に会えない時がきてきっと寂しくて泣くのだろう
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やわらかな光のような君がこの先行く道に花風よ吹け
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もう一度逢えたらと雪の降る町にひっそり笑う君をみつける
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「君と居るから終わりなんて来てないよ」終末時計は真夜中と一分
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にゅうよくの まえとあととに といれゆく ぜんりつせんに おやすみはない
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人間は、正しさよりも理ことわりで、動いていると知る金曜日
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肩寄せて電気ケトルの仕事ぶり見守る暇人どもの幸福
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平積みのジャンプに檸檬を置いて去る梶井ってなんかヤだよな 冬至
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靴下とアンモナイトのかたちした猫をコタツで発掘してる
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青空に涙零れる 人は人傷つけるため出会うんじゃない
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音楽を聞きたいから聞く訳じゃなく耳を塞ぐため詰めるイヤホン
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青函の汽笛を遠く聞きながら今日も生きてく雪のこの街
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お嬢ちゃんその大丈夫どっちなの、くてもいい、だめ、絶対来るな
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