カーテンの隙間に揺れる陽の光追いかけ一歳ケタケタ笑う
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焼きチョコになって何とかこの夏を 乗り越えたいけどやっぱ無理かな
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秒針に追われて気付けばカレンダー 半分以上が過去の遺物に
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花火よりずっときれいな横顔に只見惚れていた夏の思い出
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春すぎて 夏きにけらし 気がつけば、 キミの隣に 俺以外のヤツ。
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きみの七回目の誕生日は花火大会で なんだかうれしい
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ツナポリタン(ツナのナポリタン(笑))具だけ製作 酒のアテ 好みの味にて ほろよいすすむ
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夏気分 味わいたくて受験生 ビーサン履くけど行き先は塾
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お豆腐の 角にぶつけた 傷跡を 今も気にしているだけの春
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淀みないベルトコンベア出荷待ち みたいな朝のエスカレーター
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深呼吸 飛行機雲のリボン付け 今日のごほうび大空もらう
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もう誰も そのまやかしに目もくれず車輪の音を聞くだけの日々
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もう少し食べたいと思う時 一服吸えば食欲は消ゆ(やめると太る)
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ガジュマルが 葉散りぬるを 誰れも見ず 「おしゃべりしよう」のコマンド押す
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もう二度と 戻らぬ時と知りつつも 思う想い出 甘き切なさ
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灼熱の道を歩けばスイスイと赤とんぼ来てエールをくれる
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今どきの夏の現場の作業服老いも若きも扇風機付き
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朝顔の咲き映え萎む毎日にあなたの笑顔を重ねつつ摘む
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わがたち 運動足りているかしら 姉弟ふたりだからね そこそこはしる
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夕暮れの一瞬みたいな服を着て金星みたいなピアスをつけた
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立ち止まり 重荷を下ろして 振り返り そこまで捨てた人生でもなき
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絶食で待つ外来のテレビには 美味そな焼きそば 我慢の試練
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待ち長き外来 廊下の長椅子に 皆のため息鉛の空気
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我よりも若きの逝くを見送りてざん永らふは不思善なるや
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寿命とは寿ことほぐ命と書きにしを我は最期に言祝ことほぐかしらん
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運命と諦めきれずに毒を吐く 命の残滓有明の月
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厚ぼったい文月の風 主人あるじ逝き「本日休業」虚しく揺れる
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憂鬱に濡れしまぶたにわたくしの香り移したハンケチ託し
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鈴なりの朝顔数える朝の君 昨夜の涙の影も見せずに
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朝顔の奥に潜りし花蜂は我が物顔の憎し君かな
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