二年間かってに好きでいつづけてやっと話せた君がやさしい
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あぁ君の熱を知らずに死んでいくそれが怖くて夜が冷たい
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あのとしの 末はきみんち まどそうじ まどごしみてた びょうごのあれこれ /おもひで(w)
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ボケちゃって かおやいばしょが ふめいでも ことばつうじる ふしぎなはなし /過去歌 思考の道具としての言語
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閉鎖棟外泊させぬ患者居り「わたしは神だ」と言うお正月
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平日と休日とを繰り返すそんな世界で生きてたくない
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人生は二種類しかない 無駄なのと無駄なのをごまかしているのと
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木曜に十時間寝て「幸せ」というのはこういう方向がいい
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幸せというのは疲れそうだから適度に不幸せなままでいい
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娘より帰省の知らせもないままに正月準備の予定も立たず
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したいことよりも総じてしたくないことが過剰な人生だった
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目覚むれば一日ひとひ一枚ひとひら散り散りてみそひともじに納まらぬ日々
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さめるのも恐れも知らぬ情なら 無垢なるゆえにいよいよ滾る
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年末に 近づくにつれ とりあえず 手当たり次第 全て納める
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温泉の香りつつまれ 眠気誘う 入浴剤とはお手軽な癒し
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唐突に白紙になった予定表 未来のミルクパズルを組み立て
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年明けの帰省予定を聞かれたけれど生憎あなたが嫌いなもので
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初雪はいまだ降らないこの土地のつめたい空とあたたかな部屋
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俗説にすがったわけではないけれど私は明日髪を切ります
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ひびわれた更地にのこるひとすじの希望の鳥の羽のあしあと
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うららかなひだまりに寄る草もみじ 掃除日和とたたみ打つ音
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ブロッコリー トマトにみかん パン うどん 一歳児にも食の歳時記
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あのひとに不正アクセスしましたね残念ながら 壊れるでしょう
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除雪車が真夜中に残しし堅雪の緩むを待ちて雪掻きはじむ
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あの夜に二人見上げた天の川 橋があったら渡れただろうか
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これ以上引き留められぬとわかってた電車と朝陽が動き出す頃
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「じゃあ、またね…」君の背中の残像が最後に告げた「また」など無いと
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臆病は今も昔も変わらないもちろんあなたを好きすぎるのも
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あなたとの最適解を探っても解けることなき五次方程式
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駅裏の「pour toiあなたのために」というカフェで来るはずのないひとを待ってる
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