顔隠し水たまり避け足早に 宇宙人でもお構いなしね
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46,XXで生まれた私を父は愛する
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三宮さんのみやたまには堪能して帰る 静かなカフェは ひみつのかくれが
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大好きな紫陽花の時季やってきた大嫌いなね梅雨と一緒に
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祖母が言う欲しいコスメを当てるには ハガキの年齢「二十にじゅうさば読む」
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「カメムシが来ません」というスプレーをひと噴き直後にカメムシ飛来
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肺癌の自分を友にも見せず逝く 記憶の笑顔消えることなし
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水田に雨の止まらず注ぎたる 水ノ輪小さく苗を揺るがす
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6月の苺は甘く柔らかい 季節外れの私に似てる
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ザーザーと雨音を聞く洗面所 午前三時のおねしょの始末
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青、ピンク、色とりどりの頭髪は 寂れた街を明るく照らす
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崇高な未来の話をされるほど前が見えない くらやみの中
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今日あったちょっと良いこと話すより絶望の話で忙しい
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かすみ草いっぱい抱えた夢を見てくれたあなたを想う朝風呂 
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ひらがなの「ん」がかけなくて泣いた日を なぜだか想う数学A
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焼き菓子の砂糖の量に見合うほど愛をあげたか分からなくなる
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あめつちの猫の模様を集めたら宇宙の謎も解ける気がする
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どっこいしょ 低気圧の日は重くなる ふやけた身体 なだめすかして
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通販の料理を食し「美味しい」と だけ言うシェフはプロと言えない
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もういくつ寝るとたちまちみどりから黄金にかわる豊穣の月
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校庭に引かれた衛星軌道から赤い彗星になる子どもたち
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「ひとりでも生きていける」と言った日の私を恨む私がいませんように
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食べたいの 食べたいものは 目も舌も 惹き付けてやまぬ 原因はこれ
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おめえらが産んだんじゃねえかと思っているうちは人など愛せないのだ
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ありえない 湿気のせいに したくなる さすがに無茶か 2キロ増量
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とりあえず悲しいままを生きてみる教えてくれた娘とアドラー
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「もう少しきませんか」「そのまま」を眼圧・角膜・視神経と /眼科定期診察にて
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唐突に予定キャンセル告げられて明日は誰にも会わずにいたい
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カーペット汚したことで口喧嘩それが幸せだと現在いま気づく
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さんにんで川の字つくり二度寝する 真ん中縦線 タヌなのでみじかし
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